この夏、必見! 花火写真家が案内する全国花火大会ベスト20

この夏、必見! 花火写真家が案内する全国花火大会ベスト20

鬼ヶ城の獅子岩が咆哮する
自爆花火が大迫力で迫る熊野灘

熊野大花火大会(三重県)

海上スターマイン:上部の大きい花火が「牡丹」の連発打ち上げで、海面の半球状に開いているのが熊野の花火の「海上自爆」です。そして、よく左側を見ると何かの姿に見えませんか? これが世界遺産の紀伊山地の霊場と参 詣道の一部として登録されている「獅子岩(ししいわ)」で、何か口が開いているように見えます。

 熊野の花火の三大名物を、「海上自爆」「三尺玉海上自爆」「鬼ヶ城大仕掛け」と呼びます。「自爆」とは、なんというすさまじい玉名でしょうか!

「海上自爆」では、海上を疾駆する二隻の船から、点火した花火玉が次々と海に投げ込まれます。花火は、エンジン音の後ろから船を追うように次々と半球状に開いていくのです。

「三尺玉海上自爆」玉は、直径90センチ、重さ250キロの三尺玉を、約4メートル四方の鉄骨製のイカダの上に設置し、沖合400メートル地点に停泊させて点火、爆発させます。直径600メートルの大半球の迫力ある美しさに誰もが息をのみます。

「鬼ヶ城大仕掛け」は、他に類を見ない花火といえます。「鬼ヶ城」は国指定の名勝・天然記念物で、七里御浜海岸北端に位置する大岩壁には、熊野灘の荒波に削られた大小無数の洞窟がある、迫力ある奇観です。その岩場から海に向かって、あらゆる角度に多数の打ち上げ筒が設置されているのです。

 例年、第1弾は郷土の四季や風物を表現した創作花火を打ち上げています。第2弾は「巌頭のとどろき」と題して、5号玉以上の大玉を打ち上げるとともに数多くの“地爆”を行う大迫力の花火がフィナーレを飾ります。鬼の牙城から咆哮するその轟音はとても花火の音とは聞こえず会場中を震撼させます。

 ちなみに海上の花火は「自爆」で、フィナーレの「鬼ヶ城」の花火は「地爆」と玉名を変えてあります。

 熊野の花火の起源も古く、約300年前のお盆の初精霊供養がはじまりとされ、その伝統は追善供養の打ち上げ花火などとして、現在の大会のプログラムにも生き続けているのです。

大会概要
【大会名称】 熊野大花火大会
【開催場所】 三重県熊野市 七里御浜海岸
【観覧席】 有料観覧席あり(要予約)
【アクセス】 JR熊野市駅から徒歩5分
【URL】 http://kumanoshi-kankoukyoukai.info/tour/
【問い合わせ】 三重県熊野市観光協会
      TEL:0597-89-0100 FAX:0597-89-0100

泉谷玄作(いずみや げんさく)
写真家。1959年 秋田県に生まれる。花火の撮影をライフワークとする。現代美術作家、蔡國強(Cai Guo-Qiang)氏の依頼で、2002年MoMA(ニューヨーク近代美術館)主催の「動く虹」の花火や、2003年ニューヨークセントラルパーク150周年記念の「空の光輪」の花火などを撮影。著書に、『心の惑星-光の国の物語』(クレオ)、『日本列島 四季の花火百華』(日本カメラ社)、『静岡県ふくろい遠州の花火』(日本カメラ社)、『花火の図鑑』(ポプラ社)、『花火の大図鑑』日本煙火協会/監修 (PHP研究所)、『日本の花火はなぜ世界一なのか?』(講談社+α新書)など、花火に関するもの多数。日本写真家協会会員。

2014.07.18(金)

文・撮影=泉谷玄作

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