豊田おいでんまつり花火大会(愛知県)

昇曲付雌雄芯変化菊(のぼりきょくつきしゆうしんへんかぎく):総称では「昇曲付芯入変化菊」ともいいます。花火が昇りながら小花を咲かせていき、その芯(輪)は、「雌雄芯」となっています。「雌雄芯」は、植物の花のめしべとおしべの様子を現した「芯」です。「芯」は青色の輪の中に太い錦色の「椰子」の葉のように見える光彩が入っています。大きな輪は、赤橙色で尾を引きながら「細波」に変化してピカッと強く光る「光露」 となっています。この赤橙色で尾を引きながら開くのが「菊」の花火です。

 愛知県豊田市の豊田おいでんまつり花火大会は、1968(昭和43)年8月に明治100年を記念した「豊田まつり」として開催されたのが始まりです。

 その後、「豊田まつり」をさらにグレードアップしたいと、1989(平成元)年に「豊田おいでんまつり」へ一新。それまでの民謡大会を改め「豊田の名物」となる新しい踊りとして「おいでん踊り」が誕生しました。

 この祭りは、豊田市の一大イベントで市民が主役のまつりです。「おいでん」の曲にあわせ、年齢層関係なく市民が自由に編成する踊り連を中心にした「おいでん踊り」を踊ります。6月中旬から市内各地で「マイタウンおいでん」が開催され、踊り連の選抜が行なわれます。

 毎年7月最終土曜には「おいでんファイナル」と題し、おいでんまつりのクライマックスとして、駅前通りを中心に魅せる踊りで観客を楽しませます。その締めくくりとなるのが、毎年盛大に開催されている国内有数の花火大会です。

 最大の見せ場は「メロディ花火」という花火と音楽の競演で、ワイドスターマインが広範囲に打ち上げられます。コンピューターを使って打ち上げられる、見事なまでに調和した世界は観覧した人を驚かすことでしょう。

 そのほかにも、幅550メートルの「ナイアガラ大瀑布」ほか、各社の「スターマイン」や「仕掛花火」、「手筒花火」などバラエティに富んでいて、連発で花火が次々と打ち上げられ市民一体となって盛り上がります。

 市民の中には花火を見ながら踊る人たちもいて、底抜けに楽しい迫力のある花火大会といえます。

大会概要
【大会名称】 豊田おいでんまつり花火大会
【開催場所】 豊田市白浜町(矢作川河畔の白浜公園一帯)
【観覧席】 有料観覧席あり(要予約)
【アクセス】 名鉄豊田線「豊田市駅」下車 徒歩10分
       愛知環状鉄道「新豊田駅」下車 徒歩10分
【URL】 http://www.oidenmaturi.com/
【問い合わせ】 豊田おいでんまつり実行委員会事務局
      〒471-8501 愛知県豊田市西町3-60(豊田市役所 商業観光課内)
      TEL:0565-34-6642 FAX:0565-35-4317

泉谷玄作(いずみや げんさく)
写真家。1959年 秋田県に生まれる。花火の撮影をライフワークとする。現代美術作家、蔡國強(Cai Guo-Qiang)氏の依頼で、2002年MoMA(ニューヨーク近代美術館)主催の「動く虹」の花火や、2003年ニューヨークセントラルパーク150周年記念の「空の光輪」の花火などを撮影。著書に、『心の惑星-光の国の物語』(クレオ)、『日本列島 四季の花火百華』(日本カメラ社)、『静岡県ふくろい遠州の花火』(日本カメラ社)、『花火の図鑑』(ポプラ社)、『花火の大図鑑』日本煙火協会/監修 (PHP研究所)、『日本の花火はなぜ世界一なのか?』(講談社+α新書)など、花火に関するもの多数。日本写真家協会会員。

2014.07.06(日)
文・撮影=泉谷玄作