白い肌より、美しい肌を!

 最先端の美白理論や新成分を追い求め、進化を続けてきた“美白”。

 今年は安全性も含め、その根本が見直されている。美白の役割とは何か、そもそも“美しい肌”とは何か。皮膚科学の専門家・岡部美代治さんと考える。

» 第1回 なぜ「美白」が必要か 皮膚科学の専門家に教えを請う
» 第3回 効果が期待できる新しい保湿美白アイテム

うるおいは、透明感とシミにも深い関係が!

 “うるおいのある肌は美しい”。これは誰もが知っている、アタリマエのこと。しかし、“シミ”や“くすみ”など、具体的な肌悩みを前にすると、保湿の優先順位はつい後回しになりがちだ。

「“明るく透明感のある肌”を定義すると、基本は“トラブルのない肌”なんです。ニキビや赤みが存在すると肌色の均一感が失われ、透明感も低下する。このトラブル防止に最も有効なのが“保湿”です」(岡部さん)

 何を今さら……というような話だけれど、考えてもみてほしい。多忙な現代女性が“トラブルレスの肌”を維持するのが、いかに難しいかということを。しかもクリニークの研究によると、日本人の肌はもともと水分を抱え込むNMFの元となる酵素が欠乏しやすいそう。つまり、肌質的に乾きやすいのだ。

「角層がうるおうと磨りガラスのようなソフトフォーカス効果が生まれ、それだけで肌の均一感が高まります。保湿はある意味、“最も手っ取り早い”透明感の実現法なのです」

 保湿によってバリア機能を強化すると、外部刺激を受けにくくなる。刺激が誘発する肌内部の微弱炎症はメラニン生成の要因でもあり、保湿はシミ防止の点からも重要なケアといえる。

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2014.03.09(日)
文=宇野ナミコ
撮影=藤巻 斉

CREA 2014年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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