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“おバカキャラ”を演じなくてはいけないテレビの世界に違和感を感じていた

――三きょうだいの末っ子で、ほとんど怒られたことがないというエピソードにも驚きました。

peco 自分で言うのもなんですけど、立ち回りが上手かったんです。上の兄姉が怒られているのを見て育っていたので、自然と学習したんだと思います。怒られそうだなと思ったら、瞬時に笑いに変えてしまう(笑)。

 怖いお父さんに媚を売るのも上手かったんですけど、よく覚えているのは5歳の時、全然行きたくもないのに、「水族館行きた〜い」とねだったこと。自分でせがんだくせに、「お父さんを喜ばせるために行ってやった」と思ってました(笑)。

――小さい時から自分を確立していたpecoさんだけに、“おバカキャラ”を演じなくてはいけないテレビの世界に違和感を感じていたことも、著書で明かされています。

peco 自分が思っていないことを言わなくちゃいけないのが嫌だったんです。街中では着られないようなド派手なファッションができるのは楽しかったですが、偽りの言葉を言わなくてはいけないのはしんどかったです。

――ryuchellさんから、「2人はセットだから一緒に頑張ってほしい」みたいに言われることはなかったですか。

peco 一度もなかったです。ryuchellとは、テレビの仕事に対してのやる気にものすごい差があったわけですけど、それを攻められるようなことはなくて。むしろ、「ぺこりんはいるだけで可愛いから何もしゃべんなくていいよ」といつも言ってくれていたし、そうやってryuchellが守ってくれたから楽しくやれたんだと思います。

2024.04.24(水)
文=小泉なつみ
写真=佐藤 亘