台北では珍しいスペインのファインダイニング。

 レストランのランチやディナーにはスペインの多元的なフード文化とフレンチの手法を組み合わせた創作料理を楽しめます。

 今回撮影したのは春メニュー。前菜の「後院」はスペイン本店の裏庭をイメージしたもので、生カキにパルメザンチーズとミルクを加えたものを小石に、オイスターハーブソースや、米酢とスパイスで漬けこんだキュウリを草木に見立てています。春の息吹が感じられるメニューです。

 そして美しい花輪のような「花舞」も同じく本店にある花園からインスピレーションを得たもの。濃厚なココナツアーモンド風味のクリームに、甘酸っぱい青リンゴがのっています。豊かな風味だけでなく、アート作品のような美しさにも目を奪われます。

 メインディッシュの「海韻」は台湾の離島、澎湖産のアカハタに昆布を組み合わせた逸品。低温調理されているので、そのふっくらとした食感とジューシーさがたまりません。

 ここの料理は全体的にやや酸味を感じる味付けが特色となっており、これまでに味わったことのない新鮮な味覚を楽しめるはずです。

 ランチは全8品、ディナーは全13品。。2、3カ月に一度、メニューの一部が更新されます。台北でもスペイン料理のファインダイニングは珍しい存在なので、ぜひ試してみたいところです。

2024.03.29(金)
文=片倉真理
撮影=榎本麻美