「マカオ」は、中国大陸の南部に位置する中国特別行政区のひとつ。中国大陸と陸続きの半島部、タイパ島、コロアン島の3つのエリアからなり、それぞれに異なる魅力を楽しめます。このたび来日したマカオ政府観光局局長のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス氏に、進化するマカオの魅力を教えてもらいました。

アジアとヨーロッパの文化が交差するユニークな街

「マカオといえばカジノの印象が強いかもしれません。でもマカオはそれだけではなく、大航海時代の面影を残しながら今も進化を続けるユニークな街です。日本からは直行便で約5時間。街自体が東京都世田谷区の半分ほどの面積なので、主要な観光スポットを巡るなら2泊3日あれば十分かもしれません。長期休みをとるのが難しいという人、またコロナ禍を経て、久しぶりに海外旅行をしたいという人にもぴったりの場所だと思います」

――2005年にはマカオ半島のマカオ歴史市街地区がユネスコ世界遺産に登録されましたね。

「22の歴史的建造物と8つの広場が世界文化遺産に登録されており、かつての人々の生活を垣間見ることができる貴重な建物ばかりです。きっと皆さんの好奇心を刺激するでしょう。たとえば、マカオに現存する最古の寺院である『媽閣廟』は、レンガを組みこんだ格子窓や屋根の装飾などから職人の巧みな技を見て取ることができます。また、『聖ポール天主堂跡』は17世紀初頭に建てられた教会で、1835年の大火で教会は焼失しましたが前壁や基礎、石段は残りました。前壁はバロック様式ですがデザインの一部に漢字や菊の花の文様が施されているなど東洋の色も残っています」

――マリアさんはどの場所で過ごす時間が好きですか?

「カラフルな建物や石畳、アールデコ風の外灯など、ポルトガルの面影が残るタイパ地区は、ゆったりとした時間が流れていますし、そのような古き良き街並みを感じることができる場所でコーヒーを飲みながら一息つくのが好きですね。夜はオレンジ色の街灯に照らされて、昼間とは違うしっとりとロマンティックな雰囲気に変身します。フォトジェニックで、映画のようなワンシーンを体験できるはずです。また、マカオタワーから見るサンセットも圧巻です」

――2017年にはユネスコの食文化創造都市(シティ・オブ・ガストロノミー)にも認定されていますね。

「かつてマカオはポルトガルの交易の拠点でした。それにより、アジアやアフリカから食材や調理法、香辛料などがもたらされ、さまざまな国の料理が融合した『マカオ料理』が誕生しました。その独特な食文化が高く評価され、世界中のフーディを虜にしています。星付きのファインダイニングから、ローカルなお店にいたるまで実に多彩な食を満喫することができるので、お隣の香港からわざわざ食事をしにくる人もいますよ」

――食がメインで訪れる人もいるのですね! そんなマカオで流行っているグルメはありますか?

「最近評判を聞くのは、牛のホルモンをソースで炒めた料理ですね。もし見かけたらぜひ食べてみてください! あとはやっぱり『エッグタルト』ですね。街を歩いていると甘い香りに誘われてつい買ってしまうんです。発祥の店として知られる『ロード・ストウズ・ベーカリー』に行ってみたり、ほかの店との食べ比べをしてみたりするのも楽しいかと思います。ちなみにマカオのエッグタルトは卵を多く使っているのが特徴。ポルトガルのものとは異なるのでぜひ味わってみてください」

――最近はカルチャー面でも盛り上がっていると聞きました。

「はい、誰でも無料で楽しめるコンサートを開催したりしています。タイパ・ビレッジでは街をあげてアートによる活性化に取り組んでいて、地元の学生や海外のアーティストが手がけた作品に出合えます。また、海辺の街コロアンにもアートスポットがたくさんありクリエイティブな雰囲気が漂っています」

――そして外せないのがアクティビティですよね。

「マカオタワーの外縁を歩くスカイウォークはきっとご存じですよね。今のトレンドはビル間を疾走するジップシティマカオです。そのほかにも、屋内スカイダイビングやウォーターパークなどアウトドア派も大満足のエキサイティングなアクティビティが揃っていますよ!」

――マカオのベストシーズンはいつでしょうか。

「湿度が低い秋でしょうか。でも、IR(統合型リゾート)施設なら天候や気温を気にすることなく遊ぶことができますし、マカオには、1年を通してさまざまなイベントがあるのでそれを目当てに訪れるのも楽しいと思います。一番盛り上がるのは1月の春節。街の至る所にランタンが飾られ、祝賀パレードが催されたり、爆竹の音も聞こえてきたりしますね」

「香港と珠海(広東省)、マカオの3カ所をつなぐ港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)も開通し、2023年には香港国際空港の制限区域と港珠澳大橋のマカオ側を結ぶ直行バスが運行開始。マカオ・香港間の移動は約30~40分となりましたので、香港経由もよし、マカオ経由で香港に遊びに行くのもいいですね。グルメにアクティビティ、観光と世代を問わず誰もが楽しむことができるマカオに気軽に遊びにいらしてください!」

マカオ政府観光局 日本語ウェブサイト

https://www.macaotourism.gov.mo/ja/
Instagram:@macao_japan

【マカオの基本情報】
●ビザ/90日以内の滞在ならビザは不要。●アクセス/日本から直行便で5時間弱。市内へはタクシーで約10分(コタイ周辺)、もしくはバスもあり。市内の移動は公共交通機関のほかタイパ島では鉄道「澳門輕軌(LRT)」が運行している。●通貨/マカオ・パタカ(2024年3月21日現在1マカオ・パタカ=18.82円)

2024.03.29(金)
文=CREA編集部
写真=釜谷洋史(人物)、マカオ政府観光局