管理栄養士の望月理恵子氏もこう補足する。

 

「水分を摂ることで血液の流れをスムーズにしたり、水分が汗となって体温の上昇を防いだり、免疫機能を正常化させます」

 女性が気にしやすい「むくみ」も、水分の摂りすぎだけが原因ではなく、代謝が悪くなった状態。普段からこまめに水分を摂取する習慣がある人ほど、むくみにくい体質になるのだ。

一度に飲む量にも要注意

 それでは、どのタイミングで水を飲めばいいのか。井上氏に「水分摂取のタイムテーブル」を示してもらった。

●1回目/起床時 人は寝ている間にコップ1~2杯の汗をかく。一日のなかで血液粘度が高いのが朝

●2回目/朝食時 食事前に飲むことで胃腸が刺激され、消化を助ける

●3回目/10時頃 緑茶やコーヒーでもOK

●4回目/昼食時 食事中に飲むことで適度な満腹感が得られ、食べすぎを抑制できる

●5回目/15時頃 カフェイン少なめのハーブティやほうじ茶、麦茶でも

●6回目/夕食時 アルコールを飲む場合、特にしっかりと水を飲もう

●7回目/入浴前後 入浴では想像以上に水分が失われる。十分な水分補給を

●8回目/就寝前 睡眠中に失われる水分を事前に補給

 一日8回、一度に飲む量はコップ一杯弱(1‌5‌0㎖)がいいという。「一度にたくさん飲むと、体の水分量を一定に保とうとする生理作用により、せっかくの水分があっという間に排泄されてしまう」そうだ。

 水の温度は常温より少し冷たいくらいの10~15度が適している。口に含んでのどを通り、胃に入る時にちょうど常温になるため、体に負担をかけずに飲むことができるのだ。

 

水道水でもOK?

 また「水道水」と「ミネラルウォーター」の違いについて述べておこう。

 意外と知らない人が多いのだが、実は水道水は一日2L、生涯飲み続けても人の健康に影響を生じないとする51項目の水質基準(水道法)をクリアしている。食品衛生法で安全性を確保した「ミネラルウォーター」とは安全性の保証レベルが違うといっていい。

2024.03.26(火)
著者=笹井恵里子