この記事の連載

 70代を過ぎて始めたYouTubeチャンネルで唯一無二のプチプラファッションを発信し、開始4ヶ月で累計再生数100万回超を達成したYouTuberのロコリさん。

 ロコリさんの著書『72歳、好きな服で心が弾む、ひとり暮らし』(KADOKAWA)より、YouTuberとして活動しブレイクするまでを抜粋し紹介します。


70代で「YouTuberになる!」半年ほど行った“研究”の内容は

 毎日のようにYouTubeで動画をあれこれ見るようになり、あるとき、ふと気になって60代、70代のユーチューバーのチャンネルを検索してみました。

 そうしたら、想像よりもずっとたくさんの動画が出てきました。「シニアも動画を配信する時代なのね!」と思って見ていくと、けっこう多かったのが、熟年離婚をテーマにしたチャンネル。人気テーマのようで、別れた元旦那さんへの恨みつらみを切々と語るような、重めの動画がいっぱいありました。

 その中で、DV夫との泥沼離婚の調停中でありながらも、「嫌なことは笑い飛ばしていきたい。新しい人生を謳歌している今の生き様を残したくて始めた」と語っている「70才からのセカンドライフ」さんの動画を見つけたのです。

 そこで、はっと「いや、デジタル好きな私がしないでどうする!」と思い立ちました。それが、今こうして本を書くことにつながっているのですから、我ながら本当にびっくりします。人生何が起こるかわかりませんね。

 ブログは長いこと書いてきましたが、動画は未経験でした。そこでチャンネルを開設すると決めてからは、半年くらい、同世代のユーチューバーさんの動画を見まくったり、撮り方や編集を独学で勉強したりと、研究しました。研究結果は専用のノートにまとめ、どんなチャンネルを開設するか、戦略を練っていきました。

 動画を見て気づいたのは、シニアユーチューバーは全体から見たらまだ少ないこと、ファッション系のチャンネルもまだ少ないこと、ファッションを紹介している若いユーチューバーでも、買ってきたものをそのまま紹介していたり、わりと普通のコーディネートの人が多いということ、などです。

 どういうチャンネルがいつ開設され、いつ、どんな内容のときに人気が出て、どれくらい登録者が増えたかなど、データ的なことも時系列を追って細かく調べてノートに全部書き込み、内容やテーマを決める参考にしました(戦略を練るのは、昔からけっこう好きなのです)。

 ほかには、「YouTube初心者」と検索して、撮影スキルや動画編集について解説してくれている動画を探し、たくさん見て勉強しました。

 YouTubeには初心者向けの知恵を易しく解説してくれている方がたくさんいるのでとても助かります。それでも、私は何回も繰り返し見ないと頭に入りませんでしたが。撮影方法や編集方法もノートにぎっしりとメモしました。

 こうして研究していた半年間もマクドナルドで働いていたので、とても疲れてしまいました。

 それにプライベートでも友達の車で遊びに行ったり、家では庭の手入れもしなくてはならず、とうとう体調を崩してしまい、思い切ってマクドナルドは1ヶ月お休みをもらうことにしました。2週間くらいゆっくり休んで回復した後、4週間目に、ついにチャンネルをスタートしました。

2024.02.16(金)
写真=林ひろし