この記事の連載

◆ペリペラ

 ラストは最近のプチプラコスメを語るうえでやっぱり外せない韓国コスメから。

 韓国コスメのブランドもかなり増えましたが、その中でもチークでかなり気になったのが、このペリペラです。

 ペリペラはしばらく前から知っていたブランドですが、衝撃を受けたのが人気のチークの今年の秋の新色のこの色! パステルトーンのこの迷いのないベージュって!

 一瞬「ファンデ……かな?」と思うような明るいベージュで、コレは、色白の人が塗ったらまさに顔にニュアンスが出ていいだろうけど、筆者のくすみトーンで暗めの肌色では色が見えないだろうな、と思いました。

 ですが、実際入れてみると、かすかに色みもわかるし、なんとな~くの立体感も出る。もしやめちゃくちゃ使いやすい色なのかも……と、目からウロコでした。

 もうひとつの新色も、同じくほとんど色みを感じないだろうと思っても、実際に塗るとふんわり温かみが感じられて、ちゃんと入れた意味がある仕上がりになるんです。

 今回の新色のテーマは、韓国で古くから親しまれている、素朴な甘みの伝統菓子“薬菓”。薬菓のようにやさしく甘い印象に仕上げるというコンセプトで作られています。チークの新色2色とも、迷いのないパステルトーンなところが、韓国コスメにいつも感じる「こういう色が欲しい!」という声に応える潔さを感じます。

 ちなみにアイシャドウも同じトーンの色が出ているので、アイメイクとのコーディネートも楽しめます。

 さらにこの価格! ペリペラ……恐ろしい子……と白目になりそうです。


 チークは長い間、見た目も色も「可愛い」が第一の選ぶ基準になっていたと思います。でもしばらく前に赤リップが流行り、そこからさらにブラウン系、フィグ、ボルドーなどのディープカラーのリップが台頭してきた時に、それまでのチークの色だと顔の中に色が多すぎてうるさい、バランスが悪い、となってきたんだと思います。

 そこにマスク生活が訪れ、あまりチークを入れない期間を経て、復活してきた時には、色がメインではなく、主張はしないけれど立体感やほんのりした血色が出る、入れないよりは入れた方が顔の雰囲気が出る、といったこれまでとは方向性の違うものが増えていたんですね。

 特にアイメイクを盛りがちな筆者は、年代的にもそこにさらにピンクが強いようなチークを入れると“メイク頑張りました”みたいな顔になる。とはいえチークを入れないと、顔がのっぺり、縦長感が強調されてしまうからうっすら影になるくらいのものは入れたい。

 そんな細かい要望にガッツリ応えてくれるチークがこんなに増えていて、個人的にとても嬉しい1年でした。

 2024年はどんなチークが人気の傾向になっていくのか、期待して待ちたいと思います!

プチプラ美

高級コスメにうっとりしつつ、デイリーメイクにはプチプラコスメも出番多し、の美容メインのなんでもライター。編集プロダクションと美容雑誌編集部を経てフリーランスに。かれこれ20ウン年美容雑誌業界の片隅でお仕事中。肌データは、アトピー持ちの(でも現在はほぼ出ない)基本乾燥肌。……なのに寄る年波で部分的な毛穴の開きやテカリも気になる。スペインとお肉とオヤジ俳優好き。

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Column

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大人にもオススメしたい、大人にこそ使ってほしい優秀なプチプラコスメ。コスメファンのプチプラ美が、いつものあのショップで見つかる、使ってよかったアイテムを紹介します。

2023.12.29(金)
構成・文=斎藤真知子
撮影=釜谷洋史