快適な島旅を体感できる「on the 美一」にステイ

 真野湾に面した佐和田海水浴場前にある「Guest Villa on the 美一」が2日目の宿泊先。日があるうちにチェックインすると、ガラス張りのリビングや廊下から海が一望できます。1階にはレストランやファンクションホールがあり、よもぎ蒸しをベースにしたボタニカルサウナでリフレッシュも。

 2階にはリビングやキッチン、寝室があり、寝室以外の空間がシェアスタイルになっています。共有スペースはオーシャンビュー。キッチンには食器や調理器具が充実し、冷蔵庫に佐渡牛乳やへんじんもっこの食材なども揃っているので、自ら調理することも可能です。

 完全個室となるベッドルームに力を注いでおり、寝具のセレクトショップ「minka-眠家-」が寝具やパジャマ、シャンプーまで手がけています。睡眠と環境にやさしいベッドシステムに、一度寝たらやみつきになると評判の枕、シーツや枕カバーはサラサラで気持ちのいいリネン素材で、眠ることも楽しみな宿です。荷物を置いてひと段落したら、とっておきの一皿を満喫するため1階へ。

Guest Villa on the 美一

所在地 新潟県佐渡市河原田諏訪町207-76
電話番号 0259-58-7077
料金(1名) 6,000円~(1室1名利用)
チェックイン 15:00/チェックアウト 11:00
https://bi-ichi.com

進化する“和発酵フレンチ”「SEISUKE next door」でディナータイム

 ディナーは、山海の恵みを自在に扱う「SEISUKE next door」へ。割烹から修行をはじめ、渡仏してフレンチの名店で研鑽を積み、オーストラリアではイタリアンレストラン経営といった経歴を持つ尾﨑邦彰シェフが手がけるのは“和発酵フレンチ”。

 尾﨑シェフは発酵食を代表する味噌や醬油を、麹菌から育てて料理に取り入れているそう。牛肉の熟成にはもろみを使い、自家製醬油麹をベースにソースを作るなど、さまざまな用途で使用。「麹菌のプロテアーゼという酵素には、たんぱく質を分解する働きがあるので、焼いたときにお肉はやわらかくなり、旨みもぐんと増します。発酵食はからだにもやさしいですよ」。

 焼きなすとゴマをあわせてピューレ状にしたババカヌーシュでいただく「カジキマグロのお菓子仕立て 山のきのこのとババカヌーシュ添え」は、叩いたカジキマグロの隠し味として醬油麹を使用。「ほうれん草のクーリーと塩麹漬けバイ貝と梅のロースト ルッコラの花を添えて」には、コリコリとした歯応えのバイ貝を塩麹で漬けることで甘みに深さが。

「佐渡は山と海の距離感が絶妙なんです。目の前は海だから釣りもしますし、山の頂上までクルマで15分程度なので野草採りやきのこ狩りにもよく行きます。島には熊も猪も猿もいないから、畑を荒らされることや山で襲われる心配がない。もう天国ですよ!」

 こだわり抜いた地域食材と手づくりの発酵食材をさりげなく取り入れた独創的な“和発酵フレンチ”の世界を味わったら、2階のゲストハウスで余韻に浸りましょう。

SEISUKE next door

所在地 新潟県佐渡市河原田諏訪町207-76 1F
電話番号 0259-58-7077
営業時間 11:30~14:30(14:00L.O.)、18:00~20:00(完全予約制)
定休日 水曜(ほか不定休あり)
https://www.facebook.com/seisuke.next.door

2023.12.19(火)
文=大嶋律子(giraffe)
写真=鈴木七絵