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●口呼吸を続けると……

 さらに、鼻呼吸と口呼吸では、舌付近の筋肉の使い方も違います。

 鼻呼吸では「舌が上あごについている状態」になりますが、口呼吸だと「舌が下に落ちている」、つまり、「舌先が下の前歯の裏側についている状態」になります。

 ですから、自分が普段、鼻呼吸をしているか口呼吸をしているかは、舌の位置を確認すればわかります。気になる方は、チェックしてみてください。

 そして両者の横顔を、鏡を使って見てみると、あごのラインの違いは一目瞭然。

 舌が上あごについている時は、あごと首の境目が締まって、きゅっとした美しいラインになっているでしょう。しかし舌を下げた瞬間、あごと首の境目はあいまいになり、二重あご状態になります。ただし、二重になるかどうかは、ついている肉の量にもよるので個人差があると思いますが、私の場合は、二重あごになります。【=デメリットの3】

 さらにあります。

 今申したのは、「ムダ肉問題」ですが、一方で「筋肉問題」もあります。

 お腹を例にして言うと、「ムダ肉を減らすだけではNG」で、「腹筋をつけることも大事」というようなイメージの話です。

 長い間、舌が下がってしまう口呼吸をしていると、あごの筋肉は休みがちになり、使わないモードになっています。そのため、急に鼻呼吸を始めても、筋肉が落ちているために、美しいラインのあごになるまでの道のりは遠いです。

 つまり、あご付近にムダ肉がついている状態なうえ、「お腹の例」で言うところの「腹筋」がまだ鍛えられていないので、あご回りがシャープにならないのです。

 そしてあごの筋肉の動きや量は、おそらくは、唇の上(鼻下)ゾーンのフォルムにも関係してくるため、鼻呼吸をせずにその辺の筋肉を使わないでいると、鼻の下が間延びして、顔の下部の間延びまでも助長させることになるに違いありません。これが、最初に書いた「顔の間延び問題②」です。【=デメリットの2】

 さらに、私の場合なのですが、舌がダラッと下がっている口呼吸状態が普通になっているために、舌を噛みやすくなっていて、うっかり寝落ちした時に、「舌を噛んで、痛くて起きる」なんてことまであるのです(実話!)。【=デメリットの4】

 ここまでをまとめると……

◆鼻呼吸だと、目の下や鼻の付け根など「顔の上部」の筋肉を使うので、顔の間延びを回避しやすい。
◆鼻呼吸だと、舌が上あごについた状態になるので、美しいあごのラインをキープしやすい。
◆鼻呼吸だと、舌が上あごについた状態をキープすることになり、自然に唇の上(鼻下)付近の筋肉を使うので、鼻下付近の間延びを回避しやすい。
◆口呼吸だと、舌を噛みやすいが、鼻呼吸なら噛まない(にらさわの場合)。

 ……ということになります。

 これだけのメリットがある鼻呼吸。行わない手はありません。

 そこで、次回は鼻呼吸から遠ざかっている方でも行いやすい「鼻呼吸を身につけるための訓練方法」をご紹介します。人気ボイストレーナーの鳥山真翔先生に習った方法をご紹介するので、お楽しみに!

●鳥山真翔(まなと)先生

美顔ボイストレーナー。表情筋と発声の深い関係を説いた独自メソッド『美顔ボイトレ(R)』が好評。
https://www.toriyamamanato.com/
Instagram:@toriyamamanato

にらさわあきこ

文筆家、美容研究家。NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛や結婚、美容について取材・執筆を続ける中、2019年から美容活動を強化。簡単&ラクに綺麗になるための情報をブログやインスタ、雑誌ウェブなどで発信中。著書に『未婚当然時代』(ポプラ新書)。『婚活難民』(光文社)『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)など。
インスタ:@akiko_nirasawa_beauty、ブログ:『美活☆365日 簡単&ラク~に綺麗になろう!』

次の話を読む鼻呼吸は体にも美容にもメリット大 美顔ボイトレ(R)とヨガの呼吸法を組み合わせて正しい呼吸を身につける

Column

にらさわあきこの日々是実践美容道

 新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。

2023.10.29(日)
文=にらさわあきこ
資料提供=鳥山真翔先生