奄美群島だけに製造が許された‟黒糖焼酎”

 そして、この島の名物のひとつ“黒糖焼酎”を製造して百余年の「朝日酒造」も見学。黒糖焼酎は“日本のラム酒”と呼ばれる、さとうきびのコクが感じられる焼酎です。実は、黒糖焼酎は奄美群島でしか製造を認められていません。

 蒸留所内に入ると、こうじ菌の香りが鼻をくすぐります。杜氏さんから製造工程の説明を聞きながら巨大な桶を上から覗き込んだり、ずらりと並ぶ黒糖焼酎を次々と試飲させてもらったり。

 そして蒸留所見学では、貴重な「酌みだし原酒 無濾過 陽出る國の銘酒(ひいづるしまのせえ)」を購入することもできます。ラベルには蒸留年月日、詰口年月日(訪れた日)、タンク番号も書かれています。いい旅の記念。いつ封を開けようか、と楽しみにとってあります。

 喜界島は周囲48.6キロと、それほど大きな島ではありません。けれど二度訪れても、回りきれなかったところが……。それは地下ダムと、喜界島サンゴ礁科学研究所。これは再々訪するしか、ないですね。

喜界島

●アクセス 空路は鹿児島空港から約70分、あるいは奄美空港から約15分。鹿児島本土・奄美大島ともフェリーでのアクセスもあり。

【取材協力】PONANT JAPAN
https://www.ponant.jp/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2023.10.21(土)
文・撮影=古関千恵子