味わいのある台湾の柿渋染めグッズ

◆新埔柿染坊 柿渋染め鯛焼き手枕 300元
◆新埔柿染坊 柿渋染めカップ袋 400元

 台湾北西部に位置する新竹県新埔は、客家住民(漢民族系のエスニックグループ)が多く暮らす集落です。ここは柿の栽培が盛んで、秋になると干し柿作りの工房が人気の行楽地となります。

 そんな新埔には柿渋染めの工房もあります。客家人には倹約家が多いといわれ、「剥いた皮を捨てるのがもったいない」という考えから柿渋染めを始めるようになったそうです。こうした地場産業は女性たちに仕事の機会を与えるだけでなく、集落の活性化にも役立っています。

 柿渋染めの商品はバッグやペンケース、湯呑み入れ、コースター、箸入れなどがあります。中でも可愛らしいのは、鯛焼きの形をした小さな手枕。これはパソコンのマウスを使うときに手首の下に置くほか、中にアズキが入っているので揉むとその手触りに癒やされます。

 ケリーさんは、将来的には柿渋染め体験ツアーなども企画したいとのこと。今後の展開が楽しみです。

香りに癒やされる藺草グッズ

◆臺灣手藺 名刺入れ 650元、コインケース 550元

 台湾中部の苗栗県苑裡は藺草で知られています。日本統治時代には藺草を編んで作った敷物や帽子が大量に生産され、台湾の発展に貢献していました。戦後は衰退してしまいましたが、近年、伝統工芸を継承しようという動きが起こり、「台灣藺草學會」が設立されました。

 2014年には「臺灣手藺」というブランドも立ち上がり、さまざまなグッズを開発しています。帽子やバッグのほか、コインケースや名刺入れなど、手ごろなグッズもあります。

 「私たちが日常で使うことが、地場産業をサポートすることにつながります」とケリーさん。伝統工芸に新しいセンスが加えられた「臺灣手藺」のグッズ。お気に入りを探してみましょう。

2023.04.19(水)
文・撮影=片倉真理