今をときめく俳優たちが、撮影日数や予算など同条件で短編映画を制作するプロジェクト「アクターズ・ショート・フィルム」。その第3弾が2月11日よりWOWOWにて配信開始となる。

 配信される5作品のうち、中川大志が監督をつとめた作品「いつまで」は、友人の結婚式帰りに電車を乗り過ごしてしまった25歳の青年3人が、笑いふざけながら真夜中の田舎町を歩き続ける――というストーリー。

 本作で実力派俳優の井之脇海、板垣瑞生と並び、ひときわフレッシュなエネルギーを放っているのが荻原泰正役の林裕太(22)だ。

 2020年にデビュー後、ドラマ「特捜9」、映画『草の響き』などに出演。昨年末には増田嵩虎監督による初長編映画『間借り屋の恋』にて初主演も飾った。

 今回の出演を振り返って「前に進んだ感覚がある」と、俳優として大きな変化を感じたという林。その横顔に迫る。

自分の達成感と一緒に太陽が昇ってきた

――キャストも監督も全員20代という今回の現場でしたが、いかがでしたか?

 中川監督はじめ井之脇さん、板垣君も俳優としての大先輩なので、純粋に共演できて嬉しかったです! でもそれだけじゃなくて、実は井之脇さん、板垣君とは僕が役者を始めた時に少しだけ共演させて頂いたことがあって。その時は台詞がない役どころだったので、今回彼らと同級生という役で共演できてすごく嬉しいし感慨深いものがありました。

――今作は、深夜から明け方にかけての物語です。実際に撮影も深夜に行ったそうですね。

 そうなんです。2日間の撮影で、撮影時間は夕方から翌朝まで。朝、日の出のころに撮影が終わるんですけど、自分の達成感と一緒に太陽が昇ってくるようで、いつもの撮影にはない贅沢な感覚を味わうことができました。

――若者ならではの“深夜テンション”なんかはありましたか?

 ありました、ありました(笑)。撮影の合間、板垣君が本当にどうでもいいことをずっと喋ってるんですよ。どれだけ撮影に関係ない話かというと、「女性アイドルグループのなかにもし自分が一人だけ男性アイドルとして加入することになったらどうやってグループとして売り出す?」っていう……。これをマジのテンションで、真剣に話すんです。僕も一緒になって本気で議論して、それを井之脇さんが保護者のような目で見守っている。……ってこれ、深夜テンションなのかわからないですけど(笑)。でも楽しかったです。

2023.02.10(金)
文=CREA編集部
撮影=釜谷洋史
スタイリスト=田邉京香
ヘアメイク=寺門侑香