暑い夏が過ぎ、気持ちもゆったり。旅をしたい気分が高まってきました。

 紅葉や秋祭り、収穫のよろこびなど、日本にはたくさんの美しい秋の絶景・風物詩があります。

 そんな「秋の絶景」を集めた「いつか行きたい! 『日本にしかない風景』再発見」2021年秋篇に、新たな景色を追加して、2022年版をお届けします。

 四季があり、自然の移ろいを感じられる日本。各エリアの観光の達人が選ぶ、その地に息づく秋の景色をお楽しみください。

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆矢勝川の彼岸花

 童話作家・新美南吉氏の作品『ごんぎつね』の舞台となった矢勝川周辺エリア。秋になると矢勝川堤には、約1.5キロメートルにわたって真っ赤な彼岸花が咲き乱れ、「ひがん花が赤い布のように咲いている」という童話の中の幻想的なシーンが、見事に「Aichi Now」事務局スタッフ再現される。
 
 「『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』などの心温まる作品で知られる童話作家・新美南吉のふるさと、愛知県半田市。新美氏の作品には、生まれ育った半田の風景がよく登場しますが、矢勝川堤の彼岸花もそのひとつです。
 
 有志によって約300万本の彼岸花が植えられ、毎年9月下旬から10月上旬にかけて、矢勝川堤が一面、真っ赤に染まります。
 
 群生地のすぐそばには、新美南吉記念館があります。自筆原稿や日記、手紙のほか、童話の世界のジオラマ展示などほっこりする世界観が広がっています。ぜひ記念館にも足を運んでみてくださいね」(「Aichi Now」事務局スタッフ)
 
※見ごろの時期:9月中旬~10月初旬

矢勝川の彼岸花(やかちがわのひがんばな)

所在地 愛知県半田市岩滑西町1-10-1
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/209/

◆小原の四季桜

 四季桜は、春と秋の年に2回花を咲かせる珍しい桜。豊田市小原地区では、毎年秋になると約1万本の四季桜が花を咲かせ、紅葉と桜の見事な共演を楽しむことができる。例年の見ごろは11月上旬~下旬。

「小原地区のなかでも『川見四季桜の里』は、山の斜面全体に紅葉と桜のコントラストが広がり、風が吹くと色づいた葉や花のさざ波が斜面を伝わって、その美しさはひとしおです。

 ここでしか見られないこの風景は、地域の方々の手で長い年月をかけて熱心に行われた植栽や整備によって育まれた、奇跡の絶景です」(「Aichi Now」事務局スタッフ)

小原の四季桜(おばらのしきざくら)

所在地 愛知県豊田市小原地区
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/132/

2022.10.08(土)
文=佐藤由樹