従来に比べて価値観が多様化するなかで、女性の結婚感も大きく変わりました。「子どもを産みたいけど結婚はしたくない……」そう考える女性もいます。いわゆる結婚して妊娠、出産をする従来の流れとは異なり、非婚シングルマザーを自ら選ぶ女性もいるのです。そこで今回は、彼女たちが非婚シングルマザーを選んだ理由を紹介します。

非婚シングルマザーを選んだ理由は?

 結婚をせずに子どもを産んで育てる、非婚シングルマザー。育児はもちろんのこと経済力も自分ひとりで背負うことになります。一見厳しい選択に見えますが、なぜ自ら非婚シングルマザーの選択をしたのでしょうか。その理由を見ていきましょう。

◆子育てを一緒にできないと思った

 非婚シングルマザーを選択したある女性は、当時交際していた男性と一緒に子育てするイメージが湧かなかったと答えています。なぜなら、交際していた男性はアルコール依存症だったから。ただどうしても子どもを産みたかった彼女は自分で育てていく覚悟を決め、出産を決意。いわゆる生物学上の父親を探し出し妊娠しました。

 出産後は、初めての育児で大変なことも多かったそう。しかし、幸運なことに彼女の周りには「子育てに関わりたい!」と声をかけてくれる人が大勢いたのです。周りのサポートがあったからこそ、彼女は今フルタイムで勤務ができています。

◆彼に父親になる気が全くなかった

 非婚シングルマザーを選んだ理由に、交際していた男性が父親になる気がなかったと答える女性もいました。彼女も子どもを持つことをそこまで渇望していたわけではありませんが、思いもよらず妊娠が発覚。彼に相談したら、「本当に俺の子?」と耳を疑うような言葉をかけられました。子どものことを思うと彼を説得し籍を入れてもらうことも考えたそう。

 ただ彼に不信感を抱いたまま結婚してもいずれ離婚になることは目に見えていたため、最終的に非婚のまま出産することを決意したようです。商社でバリバリ働いていた彼女は、出産を機に定時で帰れる会社への転職を余儀なくされました。しかし「非婚で産む!」と決断したときから覚悟が決まっていたので、今は迷うことなく仕事に育児に全力投球しているようです。

◆結婚を考えたことは一度もない

 「これまで結婚したいと思ったことは一度もない……」と答える非婚シングルマザーもいます。そんな彼女は大学生のときに思いがけず妊娠が発覚。妊娠が発覚したときは嬉しくて胸が高鳴ったそう。ただ小さい頃から結婚願望が全くなかった彼女は、相手の男性とは結婚せず非婚で産むことを決意しました。

 妊娠した当時は大学生だったこともあり、子どもを産んで就職する間は両親が全面的に支えてくれたそうです。そんな恵まれた環境の中で苦戦したのが、非婚シングルマザーにおける煩雑な手続きでした。例えば、児童扶養手当の支給申請もそのひとつ。ひとり親の家庭が児童扶養手当の申請を通るには事実婚でないことを証明しなければいけません。

 「異性と交際していない?」「頻繁に出入りする男性はいる?」など、個人的な質問に及ぶことも。彼女は最終的に児童扶養手当の申請が通りました。しかし、親密な関係の異性が存在すると金銭的な援助を受けていると誤解され、ひとり親家庭の命綱である手当てを受け取れないケースもあるのです。

2021.06.14(月)
文=bridge