最新舞台「首切り王子と愚かな女」では井上芳雄、伊藤沙莉らとも共演する和田琢磨が、社会現象となった「刀剣乱舞」など、自身のキャリアについて語るインタビュー第2回。

●殺陣と作り込まれた物語で勝負する「刀ステ」

――2015年~17年「ダイヤのA The LIVE」で演じられた御幸一也。こちらは高校野球が題材の漫画が原作です。

 オーディションだったんですが、原作を読んだときに、役作りをしなくてもいいぐらい自分と似ている部分が多いと思いました。実際にやっていたセカンドと劇中のキャッチャーと違えど、同じ野球ですし、お客さんがピッタリと言ってくださったことも嬉しかったです。

 テニスと違って、舞台上で野球をやることについては、なかなか想像がつきませんでしたが、演出家と野球経験者の俳優が話し合うことによって、野球のリアル感を出していったのを覚えています。「テニスの王子様」のときの経験を思い出し、あえて自分からみんなを引っ張っていくことを意識しました。みんなついてきてくれましたし、公演を重ねるごとに会場が大きくなっていく充実感もありました。

――さらに、17年から続いている「舞台『刀剣乱舞』」で演じられた歌仙兼定。ミュージカル版とともに、国内外でブームを起こしていきました。

 今年5周年、僕が携わって4年になりますが、お客さんの作品に対する期待値が高いことを、客席の雰囲気からすぐに察しました。ただ、漫画原作やアニメ原作の作品が多いなか、「逆転裁判」以来のゲーム原作。その場合、ゲームとしての動きに、自分が付け足さなければいけないことが多いんです。そのため、可能なかぎり、クリエイターの方から情報をいただくところから始まりました。

 僕らは殺陣と作り込まれた物語で勝負していくことを目標にやっていました。コロナ禍だけでなく、自然災害で地方公演が中止になったこともありました。当たり前にできていたことができなくなったという状況に追い込まれ、これまで以上に、ひと公演、ひと公演を大事に取り組もうと心がけるようになりました。

●舞台上で生きていることに説得力を持たせる

――ここまで、和田さんのハマり役となった2.5次元作品を振り返ってきましたが、そういった舞台を演じるときに心がけていることは?

 根本的に大事にしていることは、しっかりお芝居することです。キャラクターに似せるとか、アニメに近い声を出すということは、もちろん大事なんですが、その人間が舞台上で生きていることに、どうやって説得力を持たせるかを、いちばん重要視しています。

――ほかにも、多くのストレートプレイにも出演されてきましたが、印象的だった舞台は?

 「テニスの王子様」が終わった後に出させてもらった「スペーストラベラーズ side;Winter」(12年)です。本多劇場の舞台に立てるような役者になりたかったので、とても嬉しかったのですが、何気ない雑談を膨らませて、すぐにセリフにしてしまうとか、いかに稽古を早く終わらせて、いかに安い居酒屋で飲むかなど(笑)、演劇界の幅の広さを知ることができたのは、いい経験でした。

2021.06.18(金)
文=くれい響
写真=平松市聖