お手伝いで贈り物の費用を貯金

 会場では、係員から手紙の束を受け取り、手紙を読みます。サンタになってあげたい子と出会えるまで、手紙の束は交換できます。どの参加者も真剣で、数名で来た人たちは話し合っていました。長男も一緒に読み、3人で意見交換。我家は2通を選びました。

 1通目は、21歳のシングルマザー。今月1歳になる娘がいるけれど、仕事もなく、娘のパパからの援助もなく、生きていくだけで精一杯の日々。娘にとっては、今年が初めてのクリスマスみたいなものなのに、何もしてあげられない。新年を迎えるための暖かいジャケット、もしくは玩具を、愛しい娘に送って欲しいという手紙でした。

 2通目は、息子と同じ6歳の女の子。何て書いてあるのか判らないところもあったのですが、5歳の妹と共に、洋服かアルファベットなどの知育玩具が欲しいという趣旨でした。もし可能なら、大好きなドーラのお人形もあると嬉しいとも綴ってありました。

買出しに出掛けたMacy's(『34丁目の奇跡』の舞台となった店)では、11月2日から「Santa Mail」という活動をしていました。 Santa at the North Pole宛の手紙に切手を貼ってから、店舗内の特設ポストに投函すると、Macy'sが1通につき1ドルボランティア団体に寄付するという仕組み。寄付金は最大100万ドルまで!? 手紙はMacy'sが郵便局へ持っていってくれます

 このプレゼントを贈るため、長男が頑張りました。日を改めて、私と二人で買出しへ。そして、プレゼント用のお金も貯めています(貯められた金額をパパに返すという約束)。お菓子を1日我慢したら1ドル、お手伝い(次男の玩具の後片付け、自分の洗濯物を畳む)が出来たら1ドルと決めました。貯金箱に貯まっていくのが嬉しいのか、協力的。でも、説明しても、どうして買って貰えないのかが、不思議でならない様子……。私はカトリック幼稚園に通っていました(クリスチャンではありません)。年長のクリスマスに、週2回のお菓子を我慢して、そのお金を寄付した記憶が残っています。あの時の私と同い年の息子。何か心に残って欲しいなと願っています。

田口玲子(たぐち れいこ)
東京都生まれ。6歳と1歳の息子たちと共に、ニューヨーク・マンハッタンに住む。出版社にて週刊誌編集部、女性誌編集部、広告部を経て、夫の赴任に伴い2010年夏にニューヨークへ。渡米後、次男を出産した。旅行好きで訪ねた国は30カ国以上。旅するのと、生活するのは違うということを痛感する日々。子育ての合間の楽しみは、ベーグル店巡り。

Column

NYで子育てしてみました!

息子の幼稚園はマンハッタンのど真ん中! 英語はかたこと、さて……。ほんわかNY子育て記

2012.12.23(日)