愛するペットとずっと笑顔でいたい。健康を維持するために毎日のご飯は、人にとっても犬にとっても大切な要素です。

 見た目もキュートな「犬ごはん」レシピが人気を集めている“犬ごはん先生”こと、いちかわあやこさんと、獣医師の片山政都先生が、犬の健康を考えたドッグフード選びについて、語り合いました。

愛犬の健康を保つために
犬ごはんレシピを作成するように

片山 いちかわさんが作る犬ごはんは、「かぼちゃとにんじんのポタージュ」や「トロピカルフルーツジュレ」など、人間の僕が見てもとてもおいしそうですね。ご自身も愛犬がいらっしゃるんですか。

いちかわ はい、パピヨンを2匹飼っていまして、上の子が女の子で10才、下の子が男の子で9才です。2匹とも元気いっぱいなのですが、下の子は赤ちゃんの頃にちょっと病気がちだったんですよ。

 寄生虫症と胃腸炎を半年ぐらい繰り返して、あまり食も進まない時期がありました。

片山 うちの病院も消化器疾患で通院するワンちゃんは多いですね。その場合は、まず食べ物で胃腸の調子を整えることが大事になります。いちかわさんが犬ごはんレシピを考えるようになったのは、その時のワンちゃんの病気がきっかけですか?

いちかわ そうなんです。この子たちの健康維持のために自分ができることがあるんじゃないか、と考えたときに、食事かな、と。ただ、いきなり手作り食を与えたわけではなく、まずは毎食ドッグフードをちゃんと食べてもらうところから始めました。

片山 栄養のバランスや飼い主さんの手間を考えると、やはり食事はドッグフードが基本になりますからね。

 信頼できるドッグフードを選び、愛犬の体型や体調に合わせて量を調整したり、嗜好性を高めるためにトッピングやアレンジを工夫したりすることが望ましいと思います。

大切な栄養素が詰まっている
ドッグフードを選びたい

いちかわ ドッグフード+トッピングのレシピを考えるとき、獣医師さんの視点からフード選びで注意したほうがいいポイントってどういうところですか?

片山 人間と同様、ワンちゃんにとってもタンパク質は大切な栄養素ですが、それをどういう材料からとっているかも大切な点ですね。

 たとえば、最近多くの飼い主さんから高い支持を得ているモグワンドッグフードは、動物性タンパク質が50パーセント以上という点が大きな特長で、材料として、新鮮な平飼いチキン生肉や、ヒューマングレードの食品工場で加工出荷された良質の生サーモンを使っています。

いちかわ ヒューマングレードということは、人間の食品と同じレベルで品質管理されているということですね。

片山 そうなんです。栄養面でいうと、チキンにはビタミンAやビタミンB群、ビタミンK、リン、セレンなどが豊富に含まれていて、タンパク質を構成しているアミノ酸と一緒に摂取すると、より効果的な働きが期待できます。

いちかわ 人間も健康志向の人はすすんで鶏肉をとりますよね。

片山 あと、サーモンには、犬の体内で合成できない必須脂肪酸のひとつ、オメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸は健康維持効果の高いEPAやDHAに変換されますので、ワンちゃんのためにはうれしい食材です。

いちかわ それは大切な栄養素ですね!

片山 いちかわさんが犬ごはんを作るうえで心がけていることはなんですか?

いちかわ やはり栄養のバランスが第一ですが、食いつきのよさというか、喜んで食べてくれるメニューを作りたいと思っています。ワンちゃんの中には飽きっぽいコもいますし、食にあまり興味がないコもいます。

 ですが、同じドッグフードでもちょっとアレンジしてアクセントをつけたり、ワンちゃんが好むカボチャなどを使ったりすると、食欲が増すことがあるんですよ。

片山 どんなに質のよいドッグフードでも、食べてくれなければ意味がありませんからね。ちょっと食欲がないみたいだなと思ったら、いちかわさんのようにトッピングにひと工夫してあげると、食いつきもよくなると思います。

2019.09.03(火)
構成=張替裕子(giraffe)
撮影=平松市聖
フードスタイリング=いちかわあやこ