奥深い京の美意識に
感性を癒やす滞在を……

星のや京都

 2019年、開業から10年目を迎える「星のや京都」。

 かつて南蛮貿易などで財を成した京の豪商、角倉了以の書斎兼住居があったと伝えられる格別な由緒を受け継いだこの「水辺の私邸」は、月日の流れとともにゆるやかに風格を増して、密やかに新たな魅力を醸し出しています。

嵐山の雄大な風景の中へ溶け込むように広がっているリゾート空間。

 嵐山・渡月橋の畔から専用船に乗って約15分。

 つかの間のリバークルーズを楽しんで到着するリゾートは、この10年の間に人知れず進化を遂げてきました。

大堰川に臨む空中茶室。春はお花見の特等席に。

 水の庭には、ずっと古くからあったかのように新しい滝が生まれ、成長とともに枝を広げた楓は、優美な紅葉のアーチを作り出します。

 こうした光景のなかにあるのは、「無作為の作意」。ごく自然に存在しているのにもかかわらず、実は緻密に計算された匠たちの美学が隠されているのです。

 青々とした竹の一本、小さな苔の一塊に至るまで、リゾート内に息づく森羅万象には、南禅寺の御用庭師も務める職人たちの魂が結晶し、この地で守られてきた比類ない景観と見事に融合するのです。

四季折々、刻々とその表情を変えていくリゾート内の森羅万象。小さな苔をはじめ、多種多様な命が織り成す情景が美しい。

 鮮やかな自然の色彩に満たされ、まばゆい新緑から濃密な深緑へと移ろいゆく季節の美しさを雅に映す嵐山。

 国内外から多くの旅行者がやってくる場所だからこそ、喧噪から完全に隔絶された空間で過ごす安息のひとときは、貴重なものとなることでしょう。

方丈庭園をイメージした奥の庭。

Edit & Text=Shojiro Yano
Photo=Sadaho Naito

この記事の掲載号

あらためて京都

CREA Traveller 2019年春号

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