世界中でいま、ピーナッツに注目が集まっています。栄養バランスが優れているにもかかわらず、値段が安く、しかも美味しいから。

 その健康効果を慶應義塾大学医学部の井上浩義教授・著『ハーバード大の研究でわかった ピーナッツで長生き!』よりご紹介します。

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ピーナッツを食べ続けると
間食が減る!

 私の研究で、「ピーナッツを短い期間だけ食べると太る」という結果が出ました。「えっ、ここまでの話はウソだったの?」と早合点しないでください。太る理由は、ピーナッツではないからです。

 この研究は、3時のおやつにスナック菓子を食べていた人に、「ピーナッツを食べてみて」と勧めたものです。この人たちは当初、ピーナッツに加えて、いつも通りスナック菓子も食べていました。その習慣を止めるまでの1カ月か2カ月は総摂取カロリーが増えたので、太るという結果になったわけです。

 外国の詳細な研究では「三食これだけ食べてください」と細かく決めたり、「ピーナッツを食べる人は、その分のカロリーを食事から抜いてください」というやり方が多いのですが、私は「いままで通りの食事を続けてください。それに加えて、これだけのピーナッツを食べてください」という方法を取ってみました。

 前述の通り、最初は総カロリーが増えました。ところが、食事を含めて1日に食べたものを細かく書き出してもらった記録を見ていると、間食がだんだん減ってくることに気づきます。

 ピーナッツを食べ始めて2カ月から3カ月経つと、スナック菓子を食べる習慣がなくなります。腹持ちがいいので、スナック菓子を食べなくてもお腹が空かないからです。ピーナッツがほかの間食に置き換わったときから、体重は目に見えて減っていきます。

2019.06.10(月)
文=井上浩義