旧正月を迎え、春の訪れとともに新たな年となった台湾。
この新年は旧暦の1月15日までとされており、その最後を締めくくる日に、台湾各地で様々な風習を元に独特な祭事「元宵節(ランタン祭り)」が行われています。
まず、この元宵節の起源は漢代まで遡ると言われていますが、諸説あります。
最も有名な説は漢の時代に起こった「諸呂の乱説」。
国の実権を欲しいがままにしていた皇后「呂后」の崩御後、国内が大変荒れ、この乱を「劉襄」などが収め、後に「劉恒」が皇帝の座に就いた事により、ようやく事態が収束しました。
その日が旧暦の1月15日であった事もあり「元宵節」としてお祝いするようになったと言われています。
元宵節には邪気払いなどの意味も含め提灯を作り、健康祈願を行っていました。しかし時と共にこのような宗教性が薄くなり、現在のように色鮮やかな提灯でお祝いする形に生まれ変わってきたようです。
台湾中が一番賑やかになる元宵節。今月は台湾を代表する「北天燈」「南蜂炮」「東寒單」「西乞龜」など、各地の元宵節についてもご紹介いたします。
最もロマンチック!
「平溪放天燈(北天燈)」
その昔、平溪では盗賊に襲われる事が多く、当時の住民は遠くへ避難したり、山の中に隠れたりしなければなりませんでした。
しかし勇気ある青年が村に残り、盗賊が引き上げた際、避難した住民らに「村はもう安全だ」と知らせるため、目印としてランタンを飛ばしていたという伝説があります。
その後、平和な時代が訪れ、ランタンを飛ばす風習は、「無病息災」や「幸福祈願」を祈るという意味へと変わり、現代まで受け継がれています。
この伝説を元に行われる平溪のランタン祭りは夜空に無数のランタンが放たれ、台湾各地で行われる元宵節の中で最も美しくロマンチックな祭りとして人気です。
平溪放天燈
開催地 新北市十分廣場
交通 台鉄瑞芳駅で平溪線に乗り換え、菁桐行きに乗車し十分駅にて下車(会場までは徒歩約15分)
開催日程 2019年2月19日(火)
https://tour.ntpc.gov.tw/ja-jp/
2019.02.01(金)
文・撮影=矢作晃之