1947年創業のダイナー「フォーティ・ナイナー・レストラン」。オープンした年ではなく、アメリカのゴールドラッシュの時のように、たくさんの人に来てほしいという思いで名付けた店は、その名の通り、いつもローカルのお客さんがいる人気店です。

ワイキキから車で20分、アロハスタジアムのすぐそばにあります

 初代オーナーは日系人のリチャード・茶上(ちゃがみ)さん。ハンバーガー、サイミン、ビーフカツのてっぱんメニューをひたすら守り続け、多くの常連客に愛されるダイナーとして営業していました。その手を抜くことなく、毎日、妹のジェニーさんと一緒に手ごねするハンバーガーの味、海老だしのやさしい風味がたまらないサイミン、ボリュームいっぱいのビーフカツの大ファンだったのが、現オーナーのウイル・コルデスさんです。

父親の手料理で育ったというウイルさん。子どもの頃から台所で父親を手伝い、料理に親しんでいたそう。ハワイアンの父親から習ったハワイアンフードは日替わりでメニューに並びます

 ウイルさんはハレクラニ・ホテル、プリンス・ホテルなどでレストランビジネスを学び、いわばファインダイニング出身の人。でも、幼い頃から家族で通い、慣れ親しんだ味に勝るものはない、と2007年より「フォーティ・ナイナー・レストラン」を引き継ぎます。最初はリチャードさん、ジェニーさんも一緒に働いていましたが、当時で90歳を越えていた二人は引退。その後、ウイルさんは、独自のメニューをどんどん加えていきます。

 父親から習ったハワイアンフードや、大好きなジャンクな味まで。その中でひときわ人気となったのがフォーティ・ナイナー・パンケーキ。ここのパンケーキはもっちりとした食感が特徴。小麦粉、卵、砂糖、塩に、バターミルクが入って、そのもちもち感が生まれます。ローカルに愛されるにはボリュームも大事! 大きなもっちりとしたパンケーキが2枚で、お皿を持つと、重い! と感じるぐらいです。

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2012.10.05(金)