#163 Lake Tekapo
レイク・テカポ(ニュージーランド)

 “ビーチ”という英単語は、海辺ばかりでなく湖岸や河畔も含み、いわば“水回り”の環境を示すようです。なので、今回のレイク・テカポも「あれ?」と思うかもしれませんが、 “ビーチ”百景なのです。

 ニュージーランドの南島のほぼ中央にあるレイク・テカポは、ユネスコの国際ダークスカイ・リザーブ(星空保護区)に指定された、世界に誇る星空で知られています。

 南島のクイーンズタウンからは長距離バスで約4時間。クイーンズタウンを昼過ぎに出発して夕方にレイク・テカポ着、星を満喫した翌日の午前中にレイク・テカポを出発するスケジュールで目指すことにしました。

 長距離バスの車窓をよぎるのは、雲に覆われた大きな空と羊たちが群れる草原、ラベンダー畑を流れる小川など、ほのぼのとした風景。

 トイレ休憩に停車するドライブインも、地元の人が立ち寄るレストランや商売っ気のないおじさんが店番する土産物店などで、素朴な土地柄を感じます。

 到着したレイク・テカポのバス停は、国道に面してレストランや土産物店、スーパーマーケットが並ぶエリア。100メートルほど歩くと、国道沿いには湖がただただ広がっています。

 “世界的な星空観察スポット”は、その知名度に反して驚くほど何もありませんでした。

 マッケンジー盆地に広がる、南北約30キロにわたる細長いテカポ湖。氷河が動いた時に砕けた“ロック・フラワー”という岩石が湖水に浮遊し、太陽光を受けてミルキーブルーのような不思議な色をたたえています。

2018.12.08(土)
文・撮影=古関千恵子