世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第197回は、たかせ藍沙さんがスイスのチューリヒとルツェルン周辺の魅力をレポートします。


チューリヒで世界最初の
ベジタリアンレストランへ

 スイス最大の都市チューリヒは、スイスの文化、経済の中心で、空の玄関口。日本からスイス インターナショナル エアラインズの直行便が飛んでいる。空港からチューリヒ中央駅まで電車でたったの12分と、アクセスもいい。

 ホテルにチェックインして、さっそく市内を歩いてみた。

 路面電車が行き交う市街地の中央にはリマト川が流れている。川沿いにあるチューリヒ中央駅からリマト川が行き着くチューリヒ湖のあたりがチューリヒの中心だ。特に川の東側には旧市街があり散策にお勧めのエリア。

 地元の人々は、川沿いで犬の散歩をしていたり、自転車専用路を走り抜けたり、橋の上の小さなメリーゴーランドに子供を乗せて見守っていたり、水辺の穏やかな暮らしぶりが伺える。

 スイス初日は、世界最古のベジタリアンレストランとしてギネスブックに登録されている「ヒルトル」へ。

 なぜベジタリアンレストランを選んだかというと、じつはこのレストラン、スイス インターナショナル エアラインズのベジタリアンメニューを監修しているのだ。もちろんファーストクラスの機内食にも「ヒルトル」のメニューがある。

 同社のファーストクラスについては他の記事でお伝えするけれど、一足先にこちらのレストランをご紹介したい。

 「ヒルトル」は、昼は1階でビュッフェスタイルのランチを提供している。様々な種類のベジタリアン料理がズラリと並んでいて大盛況だ。

 ランチプレートに思い思いに美味しそうな料理を詰め込み、その場で食べてもいいし、テイクアウトすることもできる。忙しい地元のビジネスピープルにも大人気だ。

 座ってゆっくり食事したい場合は、テーブルでメニューから選ぶこともできる。

 夜は2階のメインダイニングをお勧めしたい。ソファ型のシート席もあり、奥のテーブル席の中央にはキッチンツールのディスプレイがあったりして雰囲気がいい。

 メニューには、ヒルトルタルタル、ヒルトルバーガー、ヒルトルミートローフといった、肉を連想させるメニューがあるが、もちろんすべて植物性の食材から作られている。それらには、グルテンミートや大豆のミンチ、豆腐、おから、テンペなどが使われているのだ。

 このレストランで使われている食材の75%はスイス国内と中央ヨーロッパのもの。すべての料理は、フレッシュなフルーツや野菜からレストラン内のキッチンで毎日調理されている。

 現在の経営者でシェフでもあるロルフさんは4代目。厨房スタッフの写真が超絶楽しいレシピ集も購入できるので、ベジタリアンの人にはオススメだ。

Hiltl(ヒルトル)

所在地 Sihlstrasse 28, 8001 Zürich
電話番号 044-227-70-00
https://www.hiltl.ch/en/

2018.12.04(火)
文・写真=たかせ藍沙