まる1日いても飽きない
テーマパークのようなスパ

 「ビュルゲンシュトック ホテルズ&リゾート」にはふたつのスパがある。そのうちのひとつ、「ビュルゲンシュトック ホテル」にあるのが「アルパイン スパ」だ。このスパがあるからこそ滞在するゲストもいるし、日帰りで利用することもできる。

 「アルパイン スパ」は、ホテルの2フロアにわたり、総面積1万平方メートル以上という規模。

 それぞれ16~35度の水温を保つバラエティに富む5つのプール、ヴィシーシャワールームなどを含む13室のトリートメントルーム、ヨガパヴィリオン、フィットネスセンター、サウナ、美容室などが揃う。

 メインプールは屋内から屋外へと続いていて、水と空の間に浮かんでいるかのような美しいデザインとなっている。

 小さなリラクゼーションスペースもあちらこちらにあり、まるで迷路のようだ。とっておきの場所を確保すれば、泳ぎ疲れた後にうとうととまどろむことができる。子連れファミリーは、子供をキッズクラブに預ければいい。

 1日いても飽きないし、すべての施設を使い切れないかもしれない、そんな癒やしのテーマパークのようなスパだ。

 もうひとつのスパは「ヴァルトホテル ヘルス&メディカル エクセレンス」内にある「ヴァルドホテル スパ」。

 こちらのスパもユニークだ。屋内、屋外のプール、各種サウナのほか、フェイシャル専門のフロア、歯科医や皮膚科医がいて小さな手術室もあるメディカルセンターなど、より即効性の高いトリートメントと治療が行われる。

 なかでもぜひ体験してほしいのはアイスラボ。-10℃、-60℃、-110℃の部屋に入るトリートメントだ。血行がよくなり、身体の痛みが取れることもあるという。これだけはと体験させていただいた。

 水着や下着など、なるべく空気に触れる面積が多い姿になってから、耳をヘアバンドで、手は手袋で、口にはマスクで凍傷にならないようにガードする。

 最初の-10℃は30秒でちょっと寒いという程度、次の-60℃も30秒でかなり身体が冷えてきた。床には霜が少しある。

 ここまでは冷気に身体を慣らす工程で最後の部屋は-110℃で3分。途中で出てもいい。

 中に入るとさすがに身体の中まで冷えてくるのでかなり寒い。飛びはねてみたり、腕を動かしてみたりと無駄な抵抗を試みつつ、2分を超えると寒いような痛いような感覚に。結局、2分半でギブアップ。

 小さな窓の外で見守ってくれているスパスタッフに、外に出たいと手で合図する。入ったときと同じ、-60℃の部屋、-10℃の部屋を経て外へ。スパスタッフがバスローブを持って待っていてくれた。

 常温に戻ると、まず、全身に小さな虫が這っているかのようなむず痒さが走り、その後、皮膚がピンク色になってポカポカしてきた。血行が良くなったということだ。

 複数回入るといいということだが、今回は短期滞在なので断念。翌日は心なしか化粧のりがよかった。

 ふたつのスパではトリートメントの数も豊富。事前にホームページで確認して、ある程度きめていったほうが時間の節約になる。そして、スパの利用時間を多めにしておくことを強くお勧めする。

2018.12.04(火)
文・写真=たかせ藍沙