JR篠山口駅からバスで15分余り。二階町バス停で下車すると、下二階町商店街、上二階町商店街が東西に伸びています。古い建物が残り観光客でにぎわう、かつての山陰道・旧京街道です。

 上二階町商店街通りに面した建物にさりげないcoffeeの看板と、ガレットとコーヒーのメニューが手書きされた立て看板。アプローチを奥へと進むと、西尾純一さんと奥様・知子さんが営む隠れ家のような「cafe 日葉」があります。

 お店のオープンは、2016年6月。「キッチンに立っている時間が一番楽しい。食べるのも作るのも大好きで、いつかは飲食店をしたいと思っていたんです」と言う知子さんの夢を夫婦でかなえました。

 城下町ならではの、間口が狭くて奥行きのある空間に、異なる椅子やソファ、テーブルを配した店内。お好みの席に座ると、我が家のリビングルームのように落ち着けるでしょう。

 お天気のいい日は中庭に面したインナーガーデン席も気持ち良さそう。そして、秋が深まるとストーブに火が入り、さらに寛いだ雰囲気になります。

 篠山では珍しいガレットを知子さんが焼き、純一さんはコーヒー、紅茶などの飲み物を担当。

 大阪市内でイタリア料理店を営む息子さんのアドバイスで、コーヒー豆は西宮市のTAOCA COFFEEのもの、紅茶は芦屋市のuffuのものをセレクト。純一さんが丁寧にいれた香り高いコーヒー、紅茶は、篠山に近い立杭焼の作家物の器で運ばれてきます。

 「ガレットは、おかずにもなるし、おやつにもなるので幅広いお客様に喜んでいただけると思って」と知子さん。

 ガレットに使うのは国産のそば粉100%。メニューは、黒豆、大納言小豆、栗など、篠山の特産品を生かしたオリジナルがずらり。

 「篠山は米どころなんですけど、うちのそば粉のガレットはおいしいですよ」と純一さんは微笑みます。

2018.10.28(日)
文・撮影=そおだよおこ