日仏友好160年を記念し、2018年7月より、日本の文化芸術を紹介する複合型イベント「ジャポニスム2018:響きあう魂」がフランス・パリを中心に開催されている。

 江戸絵画、歌舞伎、現代劇、アニメ、現代アートなど、日本が世界に誇る文化芸術を一挙公開。100近くの会場で67の公式イベントを通して、2019年2月まで繰り広げられる。

 今世紀最大級ともいえる文化芸術の祭典「ジャポニスム2018」のオープニングを飾る展示やイベントの一部を紹介しよう。

ジャポニスム2018開会式は
日仏の大臣を迎え大々的に開催

 「ジャポニスム2018」の開会式は2018年7月12日(木)現地時間18時、日本の河野太郎外務大臣とフランスのフランソワーズ・ニッセン文化大臣出席のもと、パリ19区にあるラ・ヴィレット グランドホールにて大々的に行われた。

 壇上のスクリーンでは、「ジャポニスム2018」を象徴するイベントが映像で紹介され、日本文化の多様性と日本人の美意識が来賓者の注目を集めた。

 19世紀後半に日本の浮世絵がフランスの芸術家たちの創造力を掻き立てた「ジャポニスム」現象を踏まえ、日本の河野太郎外務大臣、フランスのフランソワーズ・ニッセン文化大臣が壇上にて挨拶を行った。

 河野大臣は、日本とフランスの間に心と心で結ばれた長い文化の歴史があること、文化を通じて、お互いを高め合い、価値観を共有してきたことに言及。そして、日仏の魂が響き合い、未来を一緒に切り開こうとしているその姿に触れてほしいと語った。

 ニッセン大臣は、冒頭に「ジャポニスム2018」のフランス開催を「大変嬉しく、また名誉なこと」と述べ、1920年代に駐日フランス大使を務めたポール・クローデルが、日仏のアーティストの関係を「響きあう2つの魂である」と表した言葉を「ジャポニスム2018」のサブタイトルとしたことを紹介。

 19世紀後半の「ジャポニスム」という創造性の出会いが、絵画や文学のみならず、その後の両国の文学、映画などの分野で世代を超えて受け継がれていることを讃えた。

 世界で活躍する和太鼓集団「DRUM TAO」による迫力ある生演奏も披露され、開会式は終結へ。

 日仏政府関係者や文化人など約400名が出席した会場は、これから始まる、日本の文化芸術の粋を集めた21世紀の“ネオ・ジャポニスム”への期待に包まれた。

文・撮影=景山由美子