睡眠の“質”は体や美容にどんな影響があるの?

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「集中力がなくなったり、イライラしたり、眠気を感じたり、仕事をしているときのパフォーマンス低下につながります。さらには高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病やうつ病を引き起こす原因にも。夏は誰でも一過性の不眠になりやすい時期。そんなとき対処が適切でないと、今度は寝つき自体が不安のタネ(不安恐怖)となり、不眠が慢性化してしまう恐れもあります。そうならないためにも、まずは睡眠の質を上げる生活習慣を身につけてください」

 “いい眠り”のための基本的な生活習慣は後で詳しく紹介するとして、とくに夏に気をつけたい点は?

「第一に、寝室の温度です。東日本大震災以来、節電は重要なテーマですが、高温多湿の日本の夏にエアコンなしでは厳しい。設定温度が28℃なら、そんなに消費電力も高くはないし、冷え性の女性でもからだを冷やすこともありません。除湿よりも冷房のほうが消費電力的にエコです。扇風機などもうまく活用を。人間は体温が下がるときに眠くなるので、夏でも熱いお風呂が好きな人は寝る3時間前など、早めに入浴をすませておきましょう。

 そして、寝具やパジャマなどは通気性のよいものに替えるのがおすすめ。裸で寝るのは涼しそうですが、汗をかいたときにベタベタして不快になるので、吸湿性のよいものを着て寝るほうがいい。また、夏は陽が長いので、全ての行動が後ろ倒しになりがちですが、夜更かしはできるだけしないこと。寝る前は行動パターンを一定にして、自分なりのリラックス法を取り入れるのも効果的。好きなアロマを焚いたり、ストレッチやマッサージ、仕事に関係ない読書やリラックスできる音楽を聴いてから眠るなど、自分なりのパターンを作ると条件反射的に眠くなります」

 今晩から実践できる簡単テクで、眠りの質はグンと向上する。睡眠を味方につけて、夏でも疲れ知らずのイキイキした自分を取り戻そう!

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2012.08.07(火)
text:Takako Kuranaga
photographs:Akira Fuji / Hirofumi Kamaya
styling:Hiroko Mase

CREA 2012年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

休めない人のための女の医学バイブル

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