#149 Nice
ニース(フランス)

ホテル・スイスの隣のエレベーターを利用して上った見晴台からの眺め。

 初の南仏、憧れのコートダジュールの中心地ニース。かつてはサルデーニャ王国の統治下にあったことから、街の随所に華やかなイタリア文化の影響が香る、海辺のヴァカンス地です。

“ベル・エポック”と呼ばれた19世紀末から第一次世界大戦前の時代に建造された別荘が今もホテルとして活用されていることも。
ノスタルジックなメリーゴーランドが公園の一角に。

 通年、太陽の光にあふれる穏やかな気候(今年の冬は寒かったそうですが)を求め、19世紀末頃から、貴族や芸術家たちから愛されてきました。マティス、シャガール、チェーホフ……誰もが知る画家や作家の手によって、このビーチから後世に残る名作が世に送り出されました。

イギリス人が出資したというプロムナード・デ・ザングレ。
羽を休める鳥も、コートダジュールの青い海に癒されていることでしょう。

 ニースのビーチはコートダジュール空港から車ですぐ、大きな弧を描く玉石の浜が約7キロ続いています。ビーチに沿って伸びる遊歩道プロムナード・デ・ザングレ(“イギリス人の遊歩道”の意味)は、わたし的には世界一有名な海沿いの遊歩道ではないかと思う、憧れの散歩道です。

プロムナード・デ・ザングレで散歩のひと休み中。なぜか雑種犬を見かけなかった。

2018.05.19(土)
文・撮影=古関千恵子