チェコで大自然を満喫!
“チェコのスイス”国立公園

 チェコというと世界遺産の首都プラハをはじめ、各地に点在する歴史ある街並みや壮麗な建造物など文化的なイメージが強いと思いますが、実は自然の宝庫でもあります。

 内陸国であるチェコの大半は広大な平原が広がりますが、他国との国境部分には国立自然公園に指定された山間部が多く、自然好きなチェコ国民にとってアウトドアの大人気スポットとなっています。

 プラハの北、ドイツとの国境沿いには「チェコのスイス」(ドイツ側では「ザクセンスイス」)と呼ばれる国立公園があり、3万6000ヘクタールという広大な面積を誇ります。かつてスイスの芸術家が「故郷の美しい光景に似ている」と言ったことから、この名が付けられました。

 地殻変動により生み出された独特な地形はこの地方の見どころのひとつで、エルベ川と奇岩群が織りなす光景は目を見張る美しさです。

美しい自然は日常生活で疲れた私たちを心からリラックスさせてくれます。

 チェコ側からのアクセスは、国境の町フジェンスコ(Hřensko)を起点にするのが便利です。プラハからは列車とバスを乗り継いで約3時間、町内には大型駐車場が完備され、ホテルなどの宿泊施設も充実しています。

 せっかくの大自然に触れる旅だから商業的な雰囲気には包まれたくない……という人は、フジェンスコから5キロほど坂を上がったメズニーロウカ(Mezní louka)からのアクセスが断然おすすめです。

 メズニーロウカは国立公園内に位置し、ここを起点にエルベ川の支流であるカメニツェ川の川下りとハイキングを組み合わせたアクティビティが楽しめ、この地方の見どころでもある自然の岩門、プラブチツカーブラーナ(Pravčická brána)などへも徒歩でアクセスできます。

メズニーロウカには、ホテル、ペンション、キャンプサイト、レストランがあるほか、こんなユニークな子供用遊具施設もありました。

 カメニツェ川の川下りとハイキングは、ホテル・メズニーロウカ裏手から延びる青色ルートを進みます。20分ほど森林の中の坂道を降り続けるとひとつめのボート乗り場(Wild Gorge/Divoká soutěska)に到着します。

各所にハイキングルートの地図が設置されているので、初心者でも迷うことなく安心して楽しめます。

 ボートに乗ると、船頭さんからチェコ語とドイツ語で奇岩群や国立公園内の生態系の説明などをしてもらえます。ハーモニカなどの生演奏をしてくれる気の利いた船頭さんもいて、自然の中をリラックスした気分で川下りできます。

 ボートをいったん降り、そこからさらに20分ほど川沿いの遊歩道をハイキングすると、頭上にせり出す砂岩の奇岩群を間近に見ることができ、迫力満点。この地方の地形の特異さを肌で感じられます。

 そろそろ歩き疲れてきたころに2つめのボート乗り場(Edmund Gorge/Edmundova soutěska)に到着。ふたたび疲れを癒やしながらの川下りとなります。

川沿いの遊歩道は安全に整備されており、ハイシーズンの春から秋にかけてはたくさんの観光客でにぎわいます。

 ボートを降りて15分ほど歩くとフジェンスコに到着です。この町からは路線バスもでていて、メズニーロウカに戻ることもできます。疲れたころにボートに乗って川下りできるので、気軽にハイキングを楽しみたい人にもおすすめのコースです。

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文・撮影=クレメントゆみ子