小さなショップで体感する
台湾の大地の恵み

 豊かな食文化を誇る台湾。ここ数年は食の安全に対する関心が高まり、有機栽培や自然農法の食品を扱うショップが増えています。そんな中、ひと際注目を集めているのが「土生土長」。ここでは台湾各地の優良農家とタッグを組み、オリジナル商品を開発しています。

土生土長とは「この土地で生まれ、この土地で育ったもの」という意味。

 店を切り盛りするのは顧瑋さん。数々の食に関するプロジェクトに携わってきた経験があり、若いながらも業界では一目置かれる存在の人物。名門・国立台湾大学で医学の勉強をしてきた才女でもあり、企画力はもちろんのこと、「台湾の優れた食材を広めたい」という熱いハートの持ち主です。

起業した理由を尋ねると、「食いしん坊ですから……」と笑う顧さん。

 店の最寄り駅はMRT東門駅。庶民の台所として賑わう東門市場を通り抜け、金山南路を少し北上すると見えてきます。古民家風の可愛らしい外観が印象的です。

 店内にはウーロン茶やハチミツ、ドライフルーツ、伝統菓子のほか、台湾風グラノーラや台湾原住民族のスパイスといった珍しい商品もあります。商品数は多くはありませんが、その一つ一つから台湾の豊かな自然が感じられます。

いずれも大量生産はできないので、売り切れたら来年まで待つことに。こうした一期一会の出会いも楽しみの一つ。

2018.03.28(水)
文=片倉真理
撮影=片倉真理・片倉佳史