» 第2回 モダンなジビエや野草料理に舌鼓
» 第3回 地衣類や木の皮を食する不思議な体験
» 第4回 季節感溢れる郷土料理をモダンにアレンジ
» 第5回 その腕に誰もが驚く人気トラットリア
» 第6回 イタリアの山の恵みに満ちたレストラン
» 第7回 スプマンテの名門が開いた独創的レストラン
» 第8回 美食を楽しみながらプチ社会貢献
フリウリ最高峰の名店で
モダンで楽しい山の味覚を
◆Agli Amici
(アッリ・アミーチ)
左:“小さなカブとカモミールのゼリー、ブルーベリー、トーストしたイースト” 28ユーロ。山岳地方の日常的な野菜がオシャレなアンティパストの一皿に。右:“卵とアスパラガス、そしてラズベリーのフレスケッツァ(爽やかさ)” 18ユーロ。アスパラガスのデザート。シロップ漬けにした名産の白アスパラガスはコリコリと歯ごたえが楽しく、薄くスライスしたグリーンアスパラガスの香りと色彩が鮮やか。液体窒素で凍らせたラズベリーがテーブルで盛り付けられると、湯気が上がるのと一緒に思わず歓声を上げてしまいそう。
フリウリ゠ヴェネツィア・ジュリア州の中部に位置するウーディネ市にある、創業130年の老舗レストラン「アッリ・アミーチ」。
左:ミラノの代表料理“オッソブーコ”と“サフランのリゾット”を分解し、オープントルテッリの中に合体。“アラ・ミラネーゼ オッソブーコのトルテッリ” 30ユーロ。右:“ウズラの「炭火」焼き 黒オリーブのソースとハーブのザバイオーネ” 35ユーロ 皮はパリパリ、肉はジューシーという安定感のある美味しさに加え、ローズマリーやタイムを皿の上で燃やしてプチ燻製にしてくれる楽しい演出に感激!
海にも山にも近いウーディネ近隣の食材を多用した料理は、素材の旨味とシェフの確かな技術がぎゅっと濃縮された味。
左:“卵黄たっぷりのリゾット、リコリスのパウダーとグリーンアスパラガス” 30ユーロ。濃厚なリゾットに、カラブリア産のリコリスとベルガモットのパウダーを合わせて。甘さと苦さの楽しいハーモニーが口の中に広がる。右:オーナーシェフのエマヌエレさんと支配人のミケーラさんは兄妹。
特にイタリアの伝統レシピをクリエイティブに変身させた目にも楽しい皿の数々は、驚きと食べる喜びに溢れた逸品ばかり。例えば“オッソブーコのトルテッリ”は、カップ型のパスタの中にオッソブーコ(仔牛の骨付スネ肉の煮込み)のスープが。力強いスープの味と小さな香味野菜の歯ごたえが絶妙。
左:“ゴディアのトルタ アルプスのチーズクリームとタマネギのジェラート” 28ユーロ。ジャガイモとタマネギ、チーズで作る北イタリアの郷土料理“フリーコ”の要素を分解し再構築したデザート。ジャガイモはスライスして巻き、キャラメリゼ。甘くてしょっぱい、懐かしくて斬新な味わい。右:デザートの最新メニュー“テーラ” 18ユーロ。チョコレート味のクリームとクランブル、キャラメルコーティングしたカカオ豆、オリーブオイル風味のジェラートにラベンダーの香りをつけたミルクをかけて。
ミシュラン2ツ星の高級店でありながら、食べるのが楽しくなる一軒だ。
樹齢100年の桑の木のある庭でアペリティーヴォも気持ちがいい。
開放感のあるウエイティングスペースとダイニングルーム。家具もオブジェもすべて地元ウーディネの作家のもの。料理同様、一つひとつ手作りされたものを選んだ。
Agli Amici (アッリ・アミーチ)
所在地 Via Liguria 252, Udine, Udine, Friuli-Venezia Giulia
電話番号 0432-565411
営業時間 12:00~14:00(木~日曜)、18:30~22:00
定休日 日曜夜、月曜 ※7月末~8月中旬に3週間、2月に1週間休業
http://www.agliamici.it/
【ACCESS】
トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、県都ボルツァーノまで国鉄にてミラノ、ヴェネツィアからそれぞれ約3時間、州都トレントまではミラノから約3時間、ヴェネツィアからは約2時間半。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州ウーディネへは、国鉄にてミラノから約4時間、ヴェネツィアからは約2時間。車ではヴェネツィアから約3時間半。
Feature
イタリア人が愛する山の美味
Text=Sayaka Miyamoto
Photo=Kinta Kimura
Special Thanks=Daniela Patriarca(ICT-Italian Culinary Tradition)、Regione Südtirol/Alto Adige、PromoTurismoFVG