◆星野リゾート 界 加賀
温泉と楽しむ北陸の冬の風物詩

“雪吊り”とは、雪の重さから木の枝を守るため、樹木の幹に沿って立てた柱から枝へと放射状に縄を張るのが代表的な手法で、美観目的としても広く利用されているのだとか。

 加賀温泉郷のひとつ、山代温泉に位置する温泉旅館「星野リゾート 界 加賀」では、大浴場の露天風呂から眺める庭の松に、北陸の冬の風物詩“雪吊り”を施し、滞在客の目を楽しませている。

 この“雪吊り”の松を眺めつつ背後を振り返ると、内湯との仕切りガラスには、加賀地方のシンボルである白山(はくさん)が、伝統工芸の金沢金箔を用いて描かれている。

金箔国内生産量の9割を誇る金沢箔で、加賀地方の象徴である白山を描写。繊細な金箔が背後の松の庭を引き立てる。

 これは、2017年7月1日(土)の大浴場リニューアル時に新たに施された装飾。湯に浸かりながら加賀の風景や冬の風情を体感することができるのだ。

 またリニューアルした大浴場には、このほかにも加賀の伝統工芸が取り入れられている。

内風呂を彩るのは、計8名の若手作家が自由な発想でデザインした九谷焼タイル。「界 加賀」では伝統工芸に携わる若手作家とコラボレーションし、山代温泉で作陶活動に励んだ若き日の北大路魯山人にちなんで名付けた“魯山人プロジェクト”を推奨。伝統工芸の継承と発展に取り組んでいる。

 例えば、男女それぞれの内風呂の壁面に組み込まれた、九谷焼タイルもそのひとつ。“色絵”、“青手”、“赤絵”、“藍九谷”という伝統的な4つの九谷焼様式で、それぞれ加賀の春夏秋冬を表現しているという。

 また、もう一点特筆すべきは、山代温泉の共同浴場である総湯・古総湯の湯めぐりも楽しめること。伝統工芸の加賀友禅を取り入れた「界 加賀」オリジナル外套を羽織り、山代温泉をそぞろ歩くのもオツなもの。

湯上がり処には加賀提灯が。竹骨を1本ずつ円形に組んで作り上げる匠の技が美しい曲線を生み出す加賀提灯は、金沢の希少伝統工芸に指定されている。

 国登録有形文化財の建築や伝統工芸をちりばめた客室、美食家・北大路魯山人の哲学を受け継ぐ料理など。新しい感性が息づく加賀伝統の温泉宿「界 加賀」なら、冬の風情に満ちた加賀文化に浸る滞在が堪能できること請け合いだ。

星野リゾート 界 加賀
所在地 石川県加賀市山代温泉18-47
電話番号 0570-073-011(界予約センター)
http://kai-ryokan.jp/kaga/

文=立花奈緒(ブレーンシップ)