知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。

マレーシア人にとって
フルーツは生活に欠かせない

 マレーシアのスーパーで、日本といちばん違うな~と感じるのが、フルーツのコーナー。見たことのないフルーツが並んでいるだけでなく、野菜コーナーと同じ、いや、それ以上の売り場面積を占め、スーパーの顔とも言えるエントランス付近にドーンと配置。そこを目がけてお客さんがわんさか訪れ、とてもにぎわっているのです。

左:パイナップル売り場だけでも、日本の果物コーナーの総面積か? というぐらい大きい。
右:スーパー内で実演販売をすることもある。このときは、ココナッツの硬い皮をナタで切り落とし、フレッシュなココナッツウォーターを提供していた。

 赤道近く、北緯1~7度に位置する常夏のマレーシアには、一年中トロピカルフルーツがあふれています。スーパー、市場、路上の出店だけでなく、駅のキオスクや学校の売店でもフルーツが売られ、若い人も年配の人も、デザートにも小腹が空いたときにも、マレーシア人はとにかくよくフルーツを食べます。

 そこで今回は、マレーシア人がよく食べる人気のフルーツに注目! なかでも、旅行中にふらっと立ち寄れるスーパーで買えるものを紹介します。

王道はこれ!
マンゴーとドラゴンフルーツ

 スーパーの顔である果物コーナー。そのいちばん目立つ位置に堂々と陣取っているのは、日本でもおなじみのマンゴー。最近では日本のスーパーでもちょくちょく見かけるようになりましたが、マレーシアのスーパーに並ぶマンゴーは規模が違います。果皮の色やカタチの異なる様々な種類のものがずらっと並んでいて、好きなブランドのマンゴーが選べるのです。

果皮の色には緑と黄色があるが、どちらも果肉はオレンジに近い黄色で、よく熟れている。国産のものだけでなく、オーストラリアやインドなどの輸入マンゴーも並ぶ。

 マンゴーの味は種類によってそれぞれですが、私の好みは、値段がいちばんお得な国産マンゴー。桃のようなねっとりとした食感に、思わずウフフと笑ってしまうぐらいの極上の甘さ。そこにほどよい酸味もあって、何個でもおかわりしたくなる味です。

熟れたドラゴンフルーツは、桃のように、手で皮をむくことができる。大きな種は入っていないので、1個でもボリューム満点。果肉の色は赤と白があり、赤のほうが甘くておいしい。収穫までの期間が長いため、白よりはちょっと値段がお高め。

 そして、マンゴーの次にポピュラーなのが、ドラゴンフルーツ。

 マンゴーに比べると、あっさりした甘さで、お腹がいっぱいのときでもパクパク食べられます。果汁たっぷりなので、水分補給として食べる人も。胡麻のような小さな黒い種が全体にちらばっていて、食感はキウイに似ています。

 ちなみにドラゴンフルーツは、サボテン科の品種。マレーシアでも色んな場所で栽培されています。

左:マンゴーとドラゴンフルーツをカット(赤タイプ)したところ。
右:ペナンのフルーツ農園で発見したドラゴンフルーツ。緑色の実がだんだん赤く色づいてくる。

2017.07.28(金)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)