滞在するホテルが旅のスタイルを導くフィレンツェ。温かなホスピタリティでゲストを迎える名門をご紹介する。

» 第1回 リゾートの魅力を深めた華麗なる名門ホテル
» 第2回 よりパーソナルに深化する安らかな隠れ家

絶好のロケーションに
密やかなクラシックホテル

◆Helvetia and Bristol
(ヘルヴェティア・アンド・ブリストル)

左:歴史を感じさせるエントランス。扉前でベテランのドアマンが通りを見守っている。
右:柔らかな陽光が注ぎ込むロビーラウンジでは、夕方になると暖炉で薪が焚かれる。

 ストロッツィ宮殿と向かい合う「ヘルヴェティア・アンド・ブリストル」は、古き佳き時代の趣に包まれたホテルだ。19世紀中頃に創業。古くから貴族や文化人に親しまれてきた老舗として知られる。

客室、ジュニアスイート・エグゼクティブ。壁には落ち着きあるワイン色のシルクを張り巡らす。シングルの客室も用意。

 19世紀の宮殿を改築した館内には、貴族の肖像画が並ぶホールやベルエポックの間などが設けられ、気品ある装い。客室も同様にクラシックなデザインで整う。シャンデリアが灯る室内に、アンティークの家具を配し、落ち着いた雰囲気でゲストを和ませている。

レストランでは総料理長のおすすめ、キアーナ牛のタルタル(14ユーロ)を。新鮮な赤身を引き立てるのは、旬のグリーンピースやトリュフの香り。土地の力を感じさせる一皿だ。

 新装されたレストランでは、サムエレ・メラーニ総料理長によるモダン・トスカーナ料理を満喫。舗道に設けられたテラスに座り、活気づく街並みを眺めて過ごす時間も思い出深い。ここはフィレンツェの中心。テーブルから見渡せば、古都の象徴が並び立つ。

バスアメニティはエトロが手がけたオリジナル。

Helvetia and Bristol
(ヘルヴェティア・アンド・ブリストル)

所在地 Via dei Pescioni 2, Firenze
電話番号 055-26651
客室数 67室
料金 クラシックルーム 230ユーロ~、ジュニアスイート 410ユーロ~ ※朝食つき
http://www.hotelhelvetiabristol.com/

撮影=小野祐次取材・文=上保雅美コーディネイト=大平美智子