オーナーのホスピタリティが光る
グレイズブルック・ハウス

外観は一見普通なグレイズブルック・ハウスですが、一歩足を踏み入れれば、不思議の国にトリップ! (C) Glazebrook House

 英国ファンタジー、特に『不思議の国のアリス』ファンならぜひ訪れたいデザイン・ホテルが、ダートムーア国立公園の南端に位置するグレイズブルック・ハウス(Glazebrook House)です。静かな自然に囲まれた一見トラディショナルな建物のドアを開けば、そこはまさにコンテンポラリーな不思議の国! 19世紀の収集家の家を訪れたような錯覚に陥ります。

ホテル・オーナーのピーターさん。

 オーナーのピーター・ハマンさんが、この地にあった古いホテルを買い取ったのは2013年のこと。およそ6カ月の時間をかけて全面改装し、2014年にグレイズブルック・ハウスがオープンしました。

 バーには、この大改装の記録が収められた写真集があり、かつての館内の様子を垣間見ることができます。その変貌ぶりたるや、まさにさなぎから蝶のごとし、です。

グレイズブルック・ホテルの正面エントランス。独特の世界観はここから始まっています。 (C) Glazebrook House
ホテルのロビー。剥製や骨格見本など、独特のデコレーションに見入ってしまいます。 (C) Glazebrook House

 インテリア・デザインを担当したのは、英国の家具とインテリアの会社、ティモシー・オルトン。シルバーのトレー、テーブルウェア、ヨットの模型など、ヴィンテージのオブジェクトを900点近く収蔵、バーやレストラン、階段の踊り場などの公共スペースにもこだわりのインテリアが施されており、ひとつひとつのスペースに楽しいサプライズが潜んでいるのです。

さまざまなストリート・サインが廊下の壁に飾られています。

2017.05.28(日)
文・撮影=安田和代