毎日取り入れる食事でぽかぽかになれたらお手軽で言うことなし! 薬膳の考え方をヒントに、食事から“あたため”のエッセンスを取り入れて、内臓から元気になりましょう。

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» 第3回 「里芋とはと麦のスープ」のレシピ
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身体を内側から温める食材をチェック!

(1) 黒糖
糖類だけど、温め作用あり。月経痛やむくみなどの悩みに対応。

(2) 里芋
消化機能を助け、便秘や下痢などのトラブル改善に。デトックス機能も。

(3) 胡桃
腎臓、肺に深く関わり、慢性の咳や喘息、便秘、肌荒れに。

(4) シナモン
気を巡らせて身体を温める効果がある。風邪の初期症状に取り入れて。

(5) はと麦
利尿効果があるのでむくみ対策に。美肌効果やデトックス効果も。

(6) エビ
食欲不振の改善、体力回復に。巡りが悪く、血行不良になりがちな人にもおすすめ。

(7)生姜
身体を温める代表格。風邪の引き始めや食欲のないときに。

 「薬膳では、すべての食材には効能があると考えられています。それぞれに温・熱・寒・涼・平の5つの食性(食材の性質)があり、その中でも『温』『熱』の食材に、身体を温める作用があります。これをバランスよく取り入れると内臓の働きが活発に、さらには血管も温まるので全身の巡りがよくなります。この寒い季節にはぜひおすすめしたいですね」と中医薬膳師のタカハシユキさん。

 中国で古来より親しまれる薬膳の考え方は、意識していなくても、私たちの食生活に確かに身近な存在。生姜などはかなり一般的だから、取り入れている人も多いはず。ただ、「温」や「熱」の食材ばかりを取り入れるのは間違いだそう。

 「個人の体質や、季節に合わせた取り入れ方こそが大切です。また薬膳というのはバランスをとることが重要ですが、難しく考える必要はないと思います。たとえば、日本人の朝食の定番である豆腐とわかめの味噌汁には、実は身体を冷やす食材が多く含まれています。でも、身体を温める長ネギをプラスすれば、バランスがとれます。このように組み合わせて身体を整えるのが、薬膳の基本です」

 神経質になりすぎずに、楽しみながら取り入れるのがおすすめだとか。ただし、今の時期に限らず、注意点があるそう。

 「薬膳では、温度の低いものはNG。冷たい飲み物や生野菜は、せっかく温めた身体を冷やしてしまいます。火を通してから摂取しましょう」

※出典/『現代の食卓に生かす「食物性味表」』日本中医食養学会・編著

●今回、お話を伺ったのは……

タカハシユキさん
国際中医薬膳師、フードコーディネーター。和洋中を問わず、簡単に作れるレシピ提案とほっこりしたスタイリングに定評がある。著書に『飲むだけ くすりスープ』。

2017.01.29(日)
Text=Noriko Masumoto〈alto〉
Photographs=Kan Kanbayashi
Food styling=Yuki Takahashi
Edit=Kanako Shibuya

CREA 2017年2月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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