屋上からの絶景を眺めてからディナーを

 見学の最後には狭い階段を登って、屋上やさらにその上の塔まで上がりましょう。ここからはカテドラルの尖塔やティビダボ山、反対側に目を向ければ港のロープウェイやWホテルまでが見渡せます。

屋上からの眺め。ゴシック地区の屋根屋根を越えて海側から山側まで見渡せる景色に、建物の高さを実感できる。中世においては、この建物が大変大きなもので、バルセロナの港に船が近づいてくる時、最初に見えるのがこの館だったというガイドさんの説明にも納得。

 話し上手なガイドさんのおかげで充実した見学を終え、最初のパティオまで戻ってくると、突然、騎士が2人走り込んできて何やら言い争いを開始。そのうち大きな剣を抜き出して決闘となり、我々はさしずめその立会人といった状態に。その後、お客さんの拍手で決闘が終了したところで、ディナータイムとなります。

オリジナルの石造りの構造を生かしたダイニングスペース。シックで落ち着いたこの空間、実はレケセンス家が住んでいたころは、厩舎や使用人部屋などがあったそう。中世の貴族が客人をもてなしているという設定で、食事中にもアラブ風のダンスなどが披露される。

 用意されたダイニングスペースは、古い石壁やアーチに支えられた天井など、建物のオリジナルの雰囲気を十分に味わえる素敵な空間です。出される料理は、現代の料理に中世のエッセンスを加えてアレンジしたもの。例えば、当時よく使われたドライフルーツやスパイスが加えられていたり、逆に、コロンブス以前にはヨーロッパには存在しなかったトマトやジャガイモなど、現在のスペイン料理には欠かせない素材が使用されていなかったり、といった具合です。

食事を終えて、館を去る前にはこんなパフォーマンスも。正面の壁は、これもローマ時代の城壁だったもの。もともとはこちら側に入口があり、よく見ると今も当時のアーチの跡が壁に残っている。周囲の町並みの変遷等もあり、17世紀に現在の入口(写真右手のアーチ)へと改装された。

 食事が終わって外にでれば、夜も深まったパティオで、火を使ったパフォーマンスが披露されます。炎に照らされる石壁があやしく揺らめき、まさに中世の一夜、貴族のもてなしを受けて帰途につく客人になった気分を満喫できることでしょう。

Palau Requesens(レケセンス邸)
所在地 Bisbe Cassador, 3 , 08002 Barcelona
アクセス 地下鉄4号線 Jaume I駅より徒歩2分
電話番号 93-327-01-25/697-86-42-62
催行日時 毎週金曜・土曜 19:30
料金 大人1名 71ユーロ~(ディナーのメニューによる)
※ガイド付き見学のみ(ディナーなし)や周辺の旧ユダヤ人街のウォーキング・ツアー+レケセンス邸でのディナーといったプログラムもあり。

【ガイド付き見学+ディナーの申し込み・問い合わせ】
http://www.palaurequesens.cat/home.html

坪田みゆき(つぼたみゆき)
バルセロナ在住、コーディネイター。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)イスパニア語学科卒。在東京スペイン政府観光局勤務などを経て、2004年よりバルセロナ在住。バルセロナ、バレアレス諸島(マヨルカ島他)、バスク地方などを中心に、スペイン全土の取材・撮影コーディネイトの他、通訳・翻訳業務も行っている。http://spainbcn.exblog.jp/

Column

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文・撮影=坪田みゆき