どこから見ても目が合う少女!?

「ジプシーの少女」。反対から見ても、やはりこちらを見つめる目力。

 見どころは数多ある中、なんといっても傑作は「ジプシーの少女」だろう。少女の目の部分だけが残っている小さめのモザイク画だが、真っ暗な特別室に展示されている様からしても、これがどれだけ価値の高い作品かがうかがえる。

 このモザイク画のすごさは、「どの角度から見ても少女の瞳に見つめられているように見える」という特徴を持っているところ!  少女のエキゾチックな瞳は、あたかも日本の能に使われるお面のように、どこまでも果てしなく見つめ返してくる。顔の下の部分が残っていないこともあり、表情に浮かぶ感情は計り知れないながらも、その訴える目力には一見の価値あり。

ミュージアムショップも併設。「自分でつくるモザイクセット」がちょっと気になるお土産候補。

 ちなみに、美しい古代ローマのモザイク芸術を堪能した後は、ガージアンテップの地元料理を楽しむこともお忘れなく。2015年にユネスコの創造都市ネットワークの食文化リストにも登録されたガージアンテップは、別名「トルコの台所」。一大キュイジーヌ都市としてその名を馳せる。

Zeugma Mozaik Müzesi(ゼウグマ・モザイク博物館)
所在地 Mithatpaşa Mahallesi, Hacı Sani Konukoğlu Bulvarı, Şehitkamil, Gaziantep
電話番号 0342-230-5969
開館時間 9:00~19:00(4~10月)、9:00~17:00(11~3月)
休館日 無休
料金 15トルコリラ
URL http://www.muze.gov.tr/tr/muzeler/zeugma-mozaik-muzesi

安尾 亜紀 (やすお あき)
イスタンブール在住。イスタンブール大学大学院女性学研究所卒。女性誌から料理誌、報道関係まで幅広い分野でライター・コーディネーターを担当。トルコの「おいしい・楽しい・新しい」を中心に、さまざまなメディアで情報発信中。

Column

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世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
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文・撮影=安尾亜紀