サラディーニ・ピラストリのロッソ・ピチェーノ・スーペリオーレ 2020ヴィンテージを3名様にプレゼント

　今回は、イタリアはマルケ州についてみなさまにご紹介いたします。

　ローマ、フィレンツェ、ヴェネチアなど、世界的に有名な都市は行かれたことがある方もたくさんいらっしゃいますが、それ以外の場所に行く機会は、日本に住む私達にとっては少ないのではないでしょうか。

　マルケ州は、イタリア中部に位置している州です。先月ご紹介したエミリア＝ロマーニャ州の南にあり、東はアドリア海に面しています。西はイタリア半島の真ん中を貫き「イタリアの背骨」とも呼ばれるアペニン山脈があります。州内は山岳地帯や丘陵地帯がほとんどで、平野がほぼない地形です。

　南北に約180キロメートル延びる海岸線とアペニン山脈に挟まれた形の州ですが、特徴的なのは海から山までの距離が100キロメートル以下と短いことです。そのため、どこにいても海と山が見え、自然の美しさを全身で感じられるエリアです。

　マルケ州は、高級皮革製品メーカーが集まっておりイタリア国内でも有数の生産地です。また、靴製造も盛んな地域です。日本でも人気の高いブランド、TOD’S（トッズ）もマルケ州で生まれました。

　料理は、その地形から海の幸と山の幸が出会って生まれる典型的な地中海料理です。北の方では、卵入りの手打ち麺「カンポフィローネ Campofillone」が多く食べられています。カンポフィローネは細めの手打ちパスタで、濃厚なラグーソースとよく絡みます。

　グリーンオリーヴにひき肉を詰めてフライにしたオリーヴェ・アスコラーネ Olive ascolaneも有名です。

　このフライに使われるオリーヴは、「アスコラーナ Ascolana」というマルケ州アスコリ・ピチェーノ地方を原産とする大粒の品種です。もともとはこのエリアの郷土料理でしたが、今ではイタリア全土で食べられていて、食事の前のアペルティフによく出てくる定番メニューとなっています。オリーヴのフライは日本では珍しいですが、揚げ物好きな日本人にはピッタリの一品です。

　ワイン造りもさかんで、特に有名なのはヴェルディッキオというブドウから造られる白ワインですが、今回は大粒オリーヴと同じ、マルケ州南部のアスコリ・ピチェーノ地方で造られるロッソ・ピチェーノ・スーペリオーレをご紹介いたします。

　1968年にDOC（原産地呼称統制）に認定され、品質が保証されたワインとして知られています。主なブドウ品種は、イタリアを代表するサンジョヴェーゼと、豊かな果実味を持つモンテプルチャーノ。この2つの黒ブドウをブレンドすることで、程よい酸味とコクがあり、バランスの取れた味わいが生まれます。

　ロッソ・ピチェーノは、チェリーやプラムなどの赤い果実の香りにスパイスのニュアンスが加わり、滑らかな口当たりが特徴です。飲みやすさがありながら、しっかりとした味わいも楽しめるため、肉料理やトマトソースのパスタ、チーズなどと相性抜群です。カジュアルに楽しめるワインとして、イタリア国内外で親しまれています。

　「スーペリオーレ（Superiore）」は、生産規定で定められた通常のアルコール度数を上回るワインに使用できる追加呼称です。より長い熟成期間を経たワインが該当することが多く、高品質でさらなる熟成のポテンシャルがあることを意味します。同社も大樽での1年間の熟成を行っています。

　オーガニック栽培されたサンジョヴェーゼとモンテプルチャーノを使用し、伝統と最新技術を融合させた醸造によって造られています。しっかりとした果実味と滑らかなタンニン、ほどよいスパイスの風味が特徴で、オーク樽で熟成させることで、より深みのある味わいに仕上がります。

　力強さとエレガントさを兼ね備えたこのワインは、赤身の肉料理や煮込み料理、熟成チーズと相性が良く、ゆっくりと味わいたい一本です。日常の食事を格上げするだけでなく、特別な食事の場にもふさわしい赤ワインです。

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