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本の話
人間、孔子が生きている!『論語』が新たに甦る『孔丘 上下』(宮城谷 昌光)
人間孔丘を描きだすことは、聖人孔子を描くよりずっとむずかしいだろう。何しろ人生の事跡そのものが不確定なのだ。出生ひとつとっても、専門家のあいだで、「農民の子」(加地伸行)「下級士族の子」(木村英一他)説が対立し、「父なし子として母の手で貧賤のうちに育てられた」(金谷治)、「母と別れ父方で過ごした」(加地伸行)と見解が違っている。
2023/10/26
火災現場に残された“三人家族”の遺体 しかし三人は赤の他人だった――伊岡瞬、新連載「追跡」に寄せて
《目の前を、親子三人が仲良く手を繫ぎ、楽しそうに歩いてゆく》こんな表現に、わたしは以前から疑問を抱いていた。もう少しきつい言葉で言えば、それは小説として「手抜き」ではないかとすら思っていた(もちろん、自分自身が書いたものも含めて)。
2023/10/25
新刊『雨だれの標本』に寄せて『雨だれの標本』(吉永 南央)
人は変わる。新作の創作用メモの1行目には、こうありました。このエッセイの依頼を受けて、私は最初に何を思って本作を書こうとしたのだろう、と思い、あらためて振り返ってみて発見したという感じです。人は根本的には変わらない、とも思っているのですが、メモにはこんな記述もあります。
2023/10/24
岩井圭也、南方熊楠に挑む! 博覧強記の才人が、追い求めたものとは――「われは熊楠」に寄せて
「南方熊楠」の名を初めて聞いたのは、小学生の時だった。私の両親は和歌山市の出身で、夏や冬の長期休暇にはよく和歌山へ足を運んだ。大阪に住んでいた私は、妹と一緒に母が運転する車の後部座席に座り、ラジオを聴きながら和歌山へ到着するまでの時間を過ごした。
2023/10/23
ウクライナ戦争勃発から1年半。終わりの見えない戦争、世界情勢の行方は? (小泉 悠)
本書『終わらない戦争』は、二〇二二年秋から二〇二三年の夏くらいまでに行われた六本の対談を再録したものです。媒体もテーマもいろいろではあるものの、どの対談もウクライナでの戦争が大きな比重を占めています。
2023/10/13
若き巨星、藤井聡太。彼に挑むライバル棋士たちを観戦記者が描く『藤井聡太ライバル列伝』
時代の覇者が対峙していた。羽生善治と藤井聡太。1996年に七冠全制覇を果たした平成のレジェンドと、2023年に七冠を保持する令和の天才が、6月28日に第71期王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で顔を合わせたのだ。
2023/10/12
指名手配犯が今ここにいる! 圧巻の逮捕劇を描く。『緊立ち 警視庁捜査共助課』(乃南アサ)インタビュー
警察小説の名手である著者が、刑事たちの人間ドラマを描いた『緊立ち 警視庁捜査共助課』を刊行した。今作の主人公は、二人の女性刑事。刑事を描くのは、『自白 刑事・土門功太朗』(文春文庫)以来13年ぶり、という著者に話を聞いた。
2023/10/11
嶋津輝さん『襷がけの二人』に書店員の方々から熱い感想が続々!
短篇集『スナック墓場』が高い評価を受けた嶋津輝さんの書き下ろし長篇『襷がけの二人』が刊行されました! 大正時代、裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭だったお初さんとの不思議な絆……一足早く読んだ書店員さんから届いた感想をご紹介します。
2023/10/10
最悪な治療の歴史を知ってこそ未来への希望がある『世にも危険な医療の世界史』
現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなく危険で、無理解の上に成り立っていた。本書『世にも危険な医療の世界史』はそんな「何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史」を、元素、植物と土、器具、動物、神秘的な力に分類し、語り倒した一冊である。
2023/10/09
今こそ取り戻したい幸田文の「身体」『精選女性随筆集 幸田文』(幸田 文 川上 弘美)
幸田文の八十六歳の生涯は、ちょうど真ん中の四十三歳で、前半と後半があざやかにきりかわっている。父親の幸田露伴の死をきっかけに、家族の面倒に追われる日々から、ジャーナリズムでもてはやされる随筆家、作家へと立場が一変したのだ。
2023/10/06
柳澤 健の三部作最終巻――旧世代から新世代へと受け継がれていく日本プロレス格闘技
本書は文藝春秋から上梓された『1976年のアントニオ猪木』、『1984年のUWF』に続くプロレス格闘技三部作の最終巻『2000年の桜庭和志』の文庫化である。2007年に出版された『1976年のアントニオ猪木』は、文藝春秋で『スポーツ・グラフィック ナンバー』の社員編集者であった柳澤健がフリーとなり、47歳にして作家デビューを果たした作品だ。
2023/10/05
愚かな若者が愚かな自分に気がつき、世界の広さに打ちのめされる物語 東畑開人『野の医者は笑う』
『居るのはつらいよ』『心はどこへ消えた?』『ふつうの相談』などが多くの読者に読まれている、われらがカウンセラー、東畑開人さん。『野の医者は笑う』は、30代に入ってほどなくして刊行された、若き心理学者の初めての一般書にして規格外のエンターテインメントです。
2023/10/04
私の物語を読む 『星のように離れて雨のように散った』(島本 理生)
小説は、大学院で文学を研究する二十代の女性、春のごく穏やかな一日を描いて始まる。夏休み中の大学の光景、同級生との修士論文についての会話、美術館で待ち合わせた少し年上の恋人とのデート、互いに気遣いの感じられるやりとり……。
2023/10/03
石田衣良が語る、シリーズが長続きする秘訣――「池袋ウエストゲートパーク」はいわば美味しいパスタ
石田衣良さんが「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞したのは、1997年秋のこと。そして受賞作を含む単行本でデビューを果たすや人気を博し、このたびシリーズ第19弾となる『神の呪われた子』が刊行された。なぜこれほどまでの長寿シリーズとなったのか、その秘密を石田さんが語る。
2023/10/02
青春にケリをつけた先の人生とは――『青春をクビになって』(額賀 澪)
高校の部活や、大学スポーツなどをテーマに、数々の青春小説を書いてきた額賀澪さんの最新作は、なかなかに衝撃的なタイトルとなった。「最初は叩き台のつもりで出した仮題だったのですが、担当編集者がこれしかないと激推ししてくれて。やっぱりこれまで青春をテーマにいろいろ書いてきたこともありますし、いま興味があるのが、そういう輝かしい日々を送ったように見える人たちのセカンドキャリアなんです。だから、いったんは青春をクビになる、というイメージが出てきました」
2023/09/22
“百年後の世界でも、はぐれた子どもをキャッチする”作家・辻村深月のたしかさ
辻村深月作品を読んでいると、わたしは“ライ麦畑のキャッチャー”のことをよく思いだす。作者のサリンジャーはユダヤ系アメリカ人として第二次世界大戦に従軍。ノルマンディー上陸作戦などを経験し、戦後はPTSDに苦しんだ。ライ麦畑とは戦場のことで、子どもは兵士のことで、わたしが引用したこのシーンは、戦争を生き延びられなかった人を救いたかったという思いが描かれている、という読まれ方もしている。わたしの心の中にいる想像上の辻村さんも、このライ麦畑に、いつも立っている。
2023/09/21
国が戦争をしていても家族の日常は続く『かたばみ』(木内 昇)
かたばみは、クローバーに似た3つの葉が寄り添う、繁茂力の強い植物。このタイトルの通り、妻と夫と子が家族というユニットになり、家族と家族がまた集まって戦中戦後の苦しい時代を乗り越えていく物語だ。
2023/09/19
東大、京大などの入試問題から、現代の諸問題を考える手がかりになる日本史の良問を解説!
筆者の相澤 理さんは高校や予備校の教室で問題演習の授業をするとき、「楽しそうに問題を解く」とことを常に心がけているといいます。時おり「これは良い問題だ」という言葉を挟みながら、それがどのような点で「良い問題」なのかも説明しながら解くことに意味があると。そんな相澤さんの考える「良い問題」とはいったいどんな問題なのか、解説します。
2023/09/18
離婚からはじまるアラフォー女性の人生探しの物語を高校生はどう読むか千早茜さん『マリエ』読書会
『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞した千早茜さん。最新刊『マリエ』は40歳を目前に離婚した女性が新しい人生を模索する現代小説だ。第10回高校生直木賞でも『しろがねの葉』を巡って熱い議論が交わされたが、高校生たちは『マリエ』をどう読んだか――。千早茜さんをお迎えして、高校生直木賞参加生徒の皆さんとの読書会が開催された。
2023/09/15
平安王朝最強の実力者・藤原道長 彼は『源氏物語』の誕生にいかに関わったか?
二〇一一年五月十一日、藤原道長が記した『御堂関白記』が『慶長遣欧使節関係資料』と共に、日本政府から初めて国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の三大遺産事業の一つである記憶遺産(英語名Memory of the Worldなので、「世界の記憶」と訳す方が正しい)に推薦されることが決まり、私は推薦に関わる仕事に携わることになった。
2023/09/13
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