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本の話
石田衣良が語る、シリーズが長続きする秘訣――「池袋ウエストゲートパーク」はいわば美味しいパスタ
石田衣良さんが「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞したのは、1997年秋のこと。そして受賞作を含む単行本でデビューを果たすや人気を博し、このたびシリーズ第19弾となる『神の呪われた子』が刊行された。なぜこれほどまでの長寿シリーズとなったのか、その秘密を石田さんが語る。
2023/10/02
青春にケリをつけた先の人生とは――『青春をクビになって』(額賀 澪)
高校の部活や、大学スポーツなどをテーマに、数々の青春小説を書いてきた額賀澪さんの最新作は、なかなかに衝撃的なタイトルとなった。「最初は叩き台のつもりで出した仮題だったのですが、担当編集者がこれしかないと激推ししてくれて。やっぱりこれまで青春をテーマにいろいろ書いてきたこともありますし、いま興味があるのが、そういう輝かしい日々を送ったように見える人たちのセカンドキャリアなんです。だから、いったんは青春をクビになる、というイメージが出てきました」
2023/09/22
“百年後の世界でも、はぐれた子どもをキャッチする”作家・辻村深月のたしかさ
辻村深月作品を読んでいると、わたしは“ライ麦畑のキャッチャー”のことをよく思いだす。作者のサリンジャーはユダヤ系アメリカ人として第二次世界大戦に従軍。ノルマンディー上陸作戦などを経験し、戦後はPTSDに苦しんだ。ライ麦畑とは戦場のことで、子どもは兵士のことで、わたしが引用したこのシーンは、戦争を生き延びられなかった人を救いたかったという思いが描かれている、という読まれ方もしている。わたしの心の中にいる想像上の辻村さんも、このライ麦畑に、いつも立っている。
2023/09/21
国が戦争をしていても家族の日常は続く『かたばみ』(木内 昇)
かたばみは、クローバーに似た3つの葉が寄り添う、繁茂力の強い植物。このタイトルの通り、妻と夫と子が家族というユニットになり、家族と家族がまた集まって戦中戦後の苦しい時代を乗り越えていく物語だ。
2023/09/19
東大、京大などの入試問題から、現代の諸問題を考える手がかりになる日本史の良問を解説!
筆者の相澤 理さんは高校や予備校の教室で問題演習の授業をするとき、「楽しそうに問題を解く」とことを常に心がけているといいます。時おり「これは良い問題だ」という言葉を挟みながら、それがどのような点で「良い問題」なのかも説明しながら解くことに意味があると。そんな相澤さんの考える「良い問題」とはいったいどんな問題なのか、解説します。
2023/09/18
離婚からはじまるアラフォー女性の人生探しの物語を高校生はどう読むか千早茜さん『マリエ』読書会
『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞した千早茜さん。最新刊『マリエ』は40歳を目前に離婚した女性が新しい人生を模索する現代小説だ。第10回高校生直木賞でも『しろがねの葉』を巡って熱い議論が交わされたが、高校生たちは『マリエ』をどう読んだか――。千早茜さんをお迎えして、高校生直木賞参加生徒の皆さんとの読書会が開催された。
2023/09/15
平安王朝最強の実力者・藤原道長 彼は『源氏物語』の誕生にいかに関わったか?
二〇一一年五月十一日、藤原道長が記した『御堂関白記』が『慶長遣欧使節関係資料』と共に、日本政府から初めて国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の三大遺産事業の一つである記憶遺産(英語名Memory of the Worldなので、「世界の記憶」と訳す方が正しい)に推薦されることが決まり、私は推薦に関わる仕事に携わることになった。
2023/09/13
戦国ウンチク&どんでん返し7連発!『化かしもの 戦国謀将奇譚』
戦国の世は「武」のみならず「智」の戦いの時代でもあった。簑輪諒さんの新作『化かしもの 戦国謀将奇譚』では、武田信玄、羽柴秀吉、長宗我部元親、島津歳久ら様々な謀将が生き残りをかけて智略を巡らす。謀将たちの仕掛けに舌を巻くどんでん返し7連発。この作品が誕生したきっかけは?
2023/09/11
“恋愛も歳を取る”って!? 益田ミリ新刊『ヒトミさんの恋』に届いた書店員の方々の感想
「沢村さん家のこんな毎日」沢村さんちの一人娘・ヒトミさん(40)が14歳年下の後輩に恋をした、甘くて苦い大人のラブストーリー『ヒトミさんの恋』。本書をいち早く読んでくださった書店員の方々の感想をご紹介します。
2023/09/08
私も主人公と同じように 円満離婚しました―― 『マリエ』(千早茜)
『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞した千早茜さん。最新作『マリエ』は、40歳を前に離婚した女性・桐原まりえが主人公の長編小説だ。
2023/09/07
人類の英知を「発酵博士」が解説!『発酵食品と戦争』(小泉 武夫)
第二次世界大戦は日本の敗戦で終った。国民は戦争の恐怖からとりあえず逃れたものの、それからの生活は困窮を極めた。とりわけ大戦の終盤から終戦後しばらくの間は、食糧事情が極度に悪化し、普通なら捨てていたものまでさまざまに工夫して食べていたことが、国民からの生活体験発信や政府機関と地方自治体などの調査でわかっている。今の私たちにはとても信じられないことであるが、それが事実であり、ここにも戦争という蛮行の残忍さがあらためて物語られているのである。
2023/09/06
「いいの、書いた!」と思えた作品 最新作『八月の御所グラウンド』に 万城目 学さんが込めた思いとは
多部未華子さん主演でドラマ化された『鹿男あをによし』や、綾瀬はるかさん主演で映画化された『プリンセス・トヨトミ』をはじめ、歴史をモチーフにしたり、現実と非現実が入り交じるストーリーで多くの読者を獲得している人気作家・万城目学さん。その万城目さんの最新作が、この8月に刊行されたド直球の青春ファンタジー小説『八月の御所グラウンド』(文藝春秋刊)です。
2023/09/05
千早茜さん新刊『マリエ』発売記念千早茜さん×村山由佳さんによる「恋愛小説」書き方講座が開催!
千早茜さんの最新長編『マリエ』(文藝春秋)が8月25日に発売されます。本作の発売を記念して、作家としての大先輩であり、ふだんから親交の深い村山由佳さんをお招きして、「恋愛小説」書き方講座を開催します。
2023/09/04
読んでいる時間が楽しければ、 それでよし!? 『忘れながら生きる 群ようこの読書日記』(群 ようこ)
二〇〇〇年に出たこの本をあらためて読んでみると、びっくりしたことがいくつかあった。なかで四十三歳になってびっくりしていると書いていて、それを読んだ、現在六十八歳の私はびっくりした。たかだか四十三歳で何をいうかと思ったのである。
2023/08/31
歴史上、成功したナンバー2は誰か? 『はじめは駄馬のごとく〈新装版〉 ナンバー2の人間学』(永井 路子)
気配り・バランス感覚・名前より実権――歴史上、成功したナンバー2は誰か? 『はじめは駄馬のごとく〈新装版〉 ナンバー2の人間学』について語ります。
2023/08/30
トリヴィアル・ファントム論『盲剣楼奇譚』(島田荘司) マジシャン山岸 塁が語る魅力
島田荘司が小説を書かなければ、わたしは“わたし”ではなく、そして“わたし”がいなければ、本書『盲剣楼奇譚』は存在していなかった――かもしれない。人口わずか一五〇〇余の山村に、わたしは生まれた。インターネットのない時代、田舎の少年にとって、小説は、世界を覗き見る窓だった。
2023/08/29
私のゲーム遍歴と、『二百十番館にようこそ』
〇〇バカ大集合ものが大好き。例えば、「特攻野郎Aチーム」とか「オーシャンズ11」とか「七人の侍」とか。一芸に秀でた、でもそれ以外はダメな人たちが集まって、チームとなった時にすごい力を発揮する、ってやっぱりロマンだと思うのです。
2023/08/28
「書く」ということへの畏れ――吉村昭作品が読み継がれる理由『帰艦セズ〈新装版〉』(吉村 昭)
吉村昭氏の小説は常に、静かな声で語られる。戦争をテーマとする作品では、ときに無残な死が描かれるが、非日常の異様な状況や心理に迫るときも、決して声高になることはない。あいまいなこと、大げさなこと、主情的なことを拒む吉村氏の文章の背後には、徹底した取材と調査にもとづく事実の探求がある。
2023/08/18
ただ一度の夏を全力で過ごす若者たち『この夏の星を見る』(辻村深月)
「星はロマンがあっていいな、くらいの気持ちで、実際に高校の科学部や観測部の生徒さんや先生に取材を始めたら、予想以上にガチで理系の領域だとわかり青くなりました(笑)」と辻村さんが語る新作では、天文活動を通じて交流する、日本各地の中高生が描かれる。彼らが過ごすのは2020年、学校生活も多大な制約を受けたコロナ禍の真っただ中だ。
2023/08/16
荒木あかね 道行く先のミステリリレーコラム「偏愛読書館」
推理作家の荒木あかねさんが運命の出会いと語る有栖川有栖さんの作品について語ります。
2023/08/14
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