クラシックカーとヴィンテージ・アイテムで2倍楽しいマーケット

単色でコーディネートしていたマダムは笑顔がすてきでした。

 カー・ブーツ・セールという言葉を耳にされたことはあるでしょうか。

 家庭の不要品をクルマで持ち寄り、販売するスタイルのマーケットで、通常は郊外の広い駐車場で、週末に開催されます。不要品を詰め込んだクルマのトランク(英国英語ではカー・ブーツ)を開いて、売り払うことからカー・ブーツ・セールと呼ばれています。ヴィンテージのテーブルウェアから、持ち手の取れた鍋まで、玉石混淆な品々が並ぶのが特徴です。アンティーク大好き、掘り出し物探し大好きな英国人に人気があるのも、うなずけます。

イベント発起人のウェイン・ヘミングウェイ氏。

 さて、そんなカー・ブーツ・セールの常識を覆す、ちょっと変わったイベントが北ロンドンのキングズ・クロスで開催されました。その名も「クラシックカー・ブーツ・セール」。持ち込める車両は、1989年以前のクラシックカー、クラシックバイク、クラシック自転車のみ。販売できるのもヴィンテージ・アイテム、またはストリート・フードかクラフト・アイテム。と、かなり厳しい条件設定。しかも、参加申し込みには車両の写真添付が必須とあって、訪れる人にとっては、クオリティの高さが期待できるマーケットです。2013年から年2回のペースで開催され、今回が5回目の開催なのだそう。

 当日、キングズ・クロスの地下鉄駅から会場に向かって歩くと、クラシックカーの展示あり、マーチング・バンドの演奏あり、美しい40年代ファッションに身を包んだスタッフのビラ配りありと、会場に到着する前からすっかりお祭り気分です。このイベントと連動して、近隣の広場でも関連イベントが開催されていました。

キングズ・クロスの駅から会場に向かう路上には、すでにクラシカルなファッションに身を包んだビラ配りのスタッフも。
路肩にはグラマラスなクラシックカーの数々が並んでいます。足を止めて写真を撮ったり、のぞきこんだりするクラシックカー・マニアも多数。
宣伝用のマーチング・バンドも。
各クラシックカーのウィンドウにも宣伝用のビラが。
クラシックカー・ブーツ・セールに合わせて、近隣の広場でも関連イベントが開催されていました。
左:近隣の広場では、ショートフィルムの上映会も。
右:路上の宣伝もレトロなデザイン。

文・撮影=安田和代(KRess Europe)