試した人からきれいになる、自分をいかす前向きメイク

イメージボードを使ってトレンドをレクチャー。

 自分が美人に見える――CHICCAのコスメは、そんなうれしい驚きをもたらしてくれる。ブランドクリエイターの吉川康雄さんが目指すのは、「メイクがきれい」ではなく「その人がきれい」になるメイク。目からうろこの発想だ。吉川さんはこう話す。

「意外と女性って、『メイクがきれい』のほうに向かっちゃうんですよね。メイクの目的が、誰々みたいになりたいとか、欠点を塗りつぶしたいっていうところにあると、そうなりがち。僕たちが言いたいことは、『自分の美しさを見つめて、もっと強調しようよ』ということなんです」

左:新リップの試作品。80本近く作られた。
右:研究員とも直接会って話す。右からソリッドファンデ担当藤居さん、リップ担当井上さん、パウダーファンデ担当佐野さん。

 CHICCAは「隠す」より「いかす」を重視する。大ヒット中のメスメリックリップスティックはなんと「2/5」しか発色しない。つまり3/5は自分の唇の色をいかすことになるから、「6色すべてが誰にでも似合う」というミラクルを可能にしたのだ。

「透け感のあるリップとして、長い間グロスが流行しましたが、グロスには口紅とは違ったベクトルで化粧感がありますよね。その人がちゃんときれいに見えるツヤ感や油膜の厚さってどんなだろう。そこにこだわって、発色と色調だけでなく、厚みも調整しました。だからこの口紅はナチュラルで、『私の唇自体がきれいなの!』という立ち位置になれるんです」

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2014.03.23(日)
文=佐藤陽子
撮影=藤巻 斉(静物)、杉山秀樹(取材)

CREA 2014年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

私はこの顔で生きていく

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