“残業組”“夜遊び組”“お泊まり組”それぞれの、24時間コスメの時代

a 乾くと縮んでカールを形成する技術を搭載することで、強力にカールをキープ。カールインパクト コラーゲン ¥1575/ロレアル パリ

b 深い眠りやリフレッシュをもたらすハーブ+東洋の香り。(右から)マジョラム、乳香、菩提樹など配合。ナイトハーモネーション20ml ¥3360、ベルガモット、白檀、竹など配合。ナイトメディテーション 20ml ¥3360/アユーラ ラボラトリーズ

c ブラシ一体型で携帯にも便利。カラーステイ クレーム ジェル アイ ライナー 2色 ¥1260/レブロン

d 人気のリップクリームがよりなめらかな質感に。CN リプランプリップ 15ml ¥5250/ヘレナ ルビンスタイン(7/1発売)

e くいこみや不快感を軽減し、ソフトな肌あたりを実現。LASSE 脱ぎたくないブラ3色 ¥8190(D、Fカップは¥8715)/ワコール
 

 都心の地下鉄やバスの“24時間運行”の可能性がにわかに浮上した。

 今どきは、女子社員の深夜残業はOKでも、タクシー帰宅はNO……っていう女に冷たい企業が逆に増えたから、“残業組”は嬉しくもないが、“夜遊び組”は大喜び。今や、男よりも女の方が飲んだくれてしまう傾向にあるとも言われ、24時間はむしろ今、“女のもの”になりつつある。

 となれば当然、顔まわりの“24時間対策”が不可欠となる。“24時間美容”のきっかけを作ったのは、言うまでもなく24時間ファンデだが、“夜遊び組”はもちろん、“残業組”にとってもアイメイクを24時間もたせるのは切実なテーマ。たとえばレブロンがあえて“24時間落ちない、にじまない!!”とハッキリ言い切るのは、ブラシ一体型のクレーム ジェル アイ ライナー。一般のジェルより少しリッチなクリームジェルが染め抜くようにラインを固定してくれる。

 一方、今主流の“お湯でオフ”できるマスカラは、逆に言うとお湯で顔を洗わない限りは、にじみもないわけで、“アブラ目”にもしっかり耐える。重要なのは長く濃くカールされたまつ毛の1本1本が、24時間へたらないこと。マスカラ職人ロレアル パリのカールインパクト コラーゲンは、コラーゲンでボリュームを作る処方に加え、カールキープワックスなどでそれを実現。たとえそのまま寝てしまっても、繊細なキレイまつ毛が長持ちしてしまう。

 いつどんな流れで“お泊まり”になってしまうかわからないという“さすらいの日常”を送っている自由な女には嬉しい展開。

 逆に、美容で24時間をフルに使う考え方もすっかり定着してきた。寝ている間もナノ保湿をし続けるベッドサイドの美容機器のような、おざなりではない“本気のナイトケア”が。寝ている間にストレスをほどく、アユーラの夜用コロンも24時間美容と言えるし、唇をふっくら保つヘレナのCN リプランプリップも、ぷりんと太った唇づくりを、朝も夜も24時間続行する。もちろん“夜遊び組”は、夜中までふっくら唇を保てる処方。

 化粧品だけじゃない。本来は帰宅したら真っ先に脱ぎ去りたいはずのブラにも今、“脱ぎたくないブラ”が登場している。ワコール「ラゼ」が得意とするずっと脱ぎたくないほどの心地よい着け心地、なのにキレイなバストをキープし続けてくれるから、24時間つけていたいという進化したブラ。まさに女が24時間眠らない時代、でも疲れた顔にならないサポートアイテムが、今次々登場しているのだ。

 もちろんすべては進化の賜物だが、このままいくと3日間ももつメイクだってありうるわけで、女はさらに便利になるが、その分さらに忙しくなりそうな。放っておけば24時間動きつづける、それが女の性分。気をつけないと、眠らない女たちがもっと増えていきそうだ。

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2013.07.02(火)

CREA 2013年7月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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定価 670円(税込)