ふわふわのクロワッサン、キリッと冷えたシャンパンも

クロワッサン

 サクサクと噛むごとに、バターのいい香りが……と想像しながら、フォームミルクのやさしい甘みとエスプレッソの渋みを味わいます。

 空きスペースを利用して、ハート模様に「CREA」の文字を入れてくれた山本さん。この余裕、さすがですね。

 エネルギーをチャージしたら、再び南下して、パリ中心部へ戻ります。

 そう、あの場所へ行かなければ、パリに来た意味がありません!

ルーヴル美術館

 ガラスのピラミッドでおなじみのルーヴル美術館。この中に西洋美術の歴史がギュッと凝縮されている――と思いながら飲むと、ミューズにでもなった気分。

 せっかくだから美術館をハシゴしましょう。ルーヴルから徒歩10分ほどのオルセー美術館。今年7月、日本にもやってくるあの名画に、一足先に会っておかなくては。

笛を吹く少年

 ご存知、エドゥアール・マネの「笛を吹く少年」。少年の顔は、マネの息子がモデルだという説が有名ですよね。あどけない表情や、笛をもつ手指まで、きっちり再現されています!

 美術館を出ると、パリの街はもう夕闇に包まれています。

「CREA」3月号付録「パリレストランガイド 2014」を参考に、おいしいレストランを探したら、よ~く冷やしたシャンパンをあけて、パリの夜に乾杯!

シャンパン

 コーヒーカップからシャンパンの瓶が飛び出している光景……。おそらく世界初でしょう。

 シャンパンクーラーに入った氷まで描きこんでくれた山本さん。芸が細かい!

 おや? よく見たらシャンパンの後ろになにか銀色のモノが――そう、スプーンの上に泡をのせていたんです。エッフェル塔の「仕掛け」も、こういうことだったんですね。

 ちょっと駆け足でしたが、ラテアートのおかげでパリを満喫させてもらいました。

 今年1月まで大阪のカフェで、バリスタとして働いていた山本さん。今後はフリーのラテアート作家として活動していくそうです。国内はもちろん、海外からも「イベントでラテアートを作ってほしい」という依頼が、続々と来ているんだとか。彼のツイッターをチェックしていれば、そのうち、あなたも目の前で、素敵なラテアートを作ってもらえるかもしれませんよ!

山本カズキさん
1987年、岡山県出身。ラテアート作家。アルバイト先のカフェで提供した3Dラテアートが評判となり、2012年より、twitter(twitterへリンク)で日々、オリジナルのラテアート作品を発表(じょーじ名義)。3D作品は100以上、平面作品は2000以上のレパートリーがある。2014年1月に著書「みてカワイイ! つくって楽しい! 3Dラテアート!!」(集英社)を発売。

2014.03.04(火)
文=中津川詔子
撮影=橋本篤