【界 川治】鴨のもうりょう鍋会席

●山の幸に恵まれる栃木の豊かな食文化

 栃木県の川治温泉は、鬼怒川と男鹿川が合流する峡谷に位置する温泉地。かつて県内には1万人以上のマタギが猟を行っていたといい、ジビエのほかに山菜や渓流の川魚などを食べる独自の文化が育まれてきた。

 この地の食文化のひとつに、江戸時代の水炊きの原型になった「もうりょう鍋」があった。これは、鶏を丸ごと茹で、その出汁を楽しんだ鍋料理。栃木で受け継がれてきた食文化と伝統的な料理を組み合わせ、界 川治が新たな料理として考案したのが「鴨のもうりょう鍋」だ。

 この料理は、まず出汁の中に合鴨のもも肉を丸ごと入れた状態で提供される。柔らかいもも肉を堪能した後は、スライスした合鴨のロース肉をさっと出汁にくぐらせて、もも肉との食感や味わいの違いを楽しむ。

 鍋の締めは、「にらそば」。栃木はそばどころとして知られるが、県西部では名産のにらを合わせる食べ方が好まれているという。合鴨や野菜のうま味が凝縮したスープを、最後の一滴まで味わいたい。

【鴨のもうりょう鍋会席概要】

期間:2024年3月1日から通年
料金:2万9,000円(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付)
予約:要
予約方法:ホームページhttps://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikawaji/にて利用日の5日前までに予約

2024.04.21(日)
文=サトータケシ