この記事の連載

ロースターたちの情熱がメルボルン流を作った

“コーヒーの街”と呼ばれる理由

 美味しいコーヒーが飲める街として知られているメルボルンは、大型チェーン店よりも個人経営の店が圧倒的に多く、それぞれの焙煎方法などにオリジナリティがある。では、なぜ成熟したコーヒー文化が育まれたのか。人気カフェを立ち上げ、現在はスモール・バッチ・ロースティングのオーナーであるアンドリュー・ケリー氏に話を聞いてみた。

 「僕の経験からいうと、20年くらい前はイタリアンコーヒーが中心で、ほとんどの豆はイタリアでローストして輸入していたのでフレッシュなものは少なかったんです。そこでローストをオーストラリアでできないかと考え、(有名ロースターの)セブン・シーズのオーナーたちを含めた5~10人くらいで毎週集まり、コーヒーについてディスカッションし、勉強しました。どの国で質のいい豆が採れて、どういうローストがベストなのか、と。

 約7年後、僕はカフェ、オークション・ルームスを立ち上げ、自分たちの焙煎したコーヒーが多くの人に受け入れられ成功しました。その後、新しい焙煎所がメルボルンに次々と誕生し、皆で切磋琢磨しながらコーヒーの質と文化を高めていったように思います。それとメルボルンには大勢の東南アジアの留学生が来るので、彼らがメルボルンをコーヒーキャピタルと呼ぶようになり、評判が広まっていった。なかでもインスタグラムの影響はすごいと思います」

 今も変わらず進化を続けるコーヒー文化。その一端を味わえる、コーヒーショップを案内する。


小さな生産者の良質な豆を扱う焙煎所

◆Small Batch Roasting(スモール・バッチ・ロースティング)

 焙煎所「スモール・バッチ・ロースティング」に併設された、挽きたてが味わえるコーヒースタンド。オーナーのアンドリュー・ケリー氏は、コーヒー産地に足を運びエコロジカルな栽培をしている小さな生産者とフェアな取引きをするため、コロンビアに会社を立ち上げた。

 コロンビア、グアテマラの農家を中心に仕入れた豆を自家焙煎している。コーヒーとよく合う8種類のペストリーも人気なので、朝ショーケースに並ぶ焼きたてをぜひ。

Small Batch Roasting

所在地 3-9 Little Howard Street, North Melbourne
電話番号 03 9326 6313
営業時間 7:30~16:00、 土曜 8:00~14:00
定休日 日曜
https://smallbatch.com.au/about-us

2024.04.18(木)
文=梅崎奈津子
写真=橋本 篤
コーディネート=池谷仁美

CREA Traveller 2024 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

Dreaming of Australiaオーストラリアが教えてくれたこと

CREA Traveller 2024 vol.2

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定価1,500円(税込)

「CREA Traveller」2024 vol.2の特集は、「オーストラリア特集」。