この記事の連載

 日本人の3人に2人が持っていると言われる「眠りの悩み」。新生活が始まるこの季節、改めて睡眠環境を整えたいと考える人も多いのではないでしょうか。

 前編では 「寝ても寝ても眠い」という慢性的な悩みを持っていた私、CREAアンバサダーの茂木雅世が「日本橋西川」へ。普段の睡眠状況や日中の活動量を測定し、眠りのプロによる解析・カウンセリングを受けた様子をお届けしました。後編では、カウンセリングの結果、判明した“寝返りの回数が少なすぎる”という問題を改善するため、完全オーダーメイドのまくら作りを体験します。


「頭から首にかけてのカーブ」を眠りのプロが測定

 まずは、立った状態でオリジナル測定器を使い、後頭部や首の高さなどを細かく測定していきます。担当してくださった眠りのプロ“スリープマスター”の森 優奈さんによると、まくらの高さは人それぞれで、立ったままの自然な姿勢を、横になった時にもキープできるのが理想的なのだそう。測定の結果、私の場合は、かなり低いまくらでないと首や肩に負担がかかってしまうことがわかりました。

 首の形や頭の高さを測ったら、次はまくらの中に入れる素材を選びます。

9種の異なる素材から好みの感触をチョイス

 オーダーまくらは上層部と、下層部に分かれた多重構造で、最大14か所で高さ調節ができます。下層部には、寝心地をしっかり支えてくれる「ミニ備長炭パイプ」が使用されていますが、上層部は直接頭にあたる部分なので、使う人が好みの素材を選べるようになっています。

 中に詰め込む素材の量を部分的に調節することで、仰向け時はもちろん、寝返りを打った時にも自然な姿勢をキープしてくれるという仕組みです。

 素材はしゃかしゃかとした手触りのものから、ふわふわ、ぽこぽこ、ぷるもちなど9種類。素材が入った見本を触って、気になる感触のものをいくつか選んだら、実際にベッドで横になって寝心地を比べます。

 私が気になった素材は、ぽこぽこした手触りの「整圧」という凸凹のあるウレタン素材とふわふわの「羽毛&粒わた」。

 2種類をベッドで横になって試してみると、「羽毛&粒わた」はかなりソフトに頭を包んでくれる素材で、「整圧」はしっかりと頭を支えてくれるタイプでした。

 今回、私はややハードな感触の枕を探していたので、「整圧」という素材をチョイス。体験してみて、まくらの素材の違いで、寝心地が全く変わることにとても驚きました。

 素材選びが終わったら、次は、実際にベッドに横になった状態で、細かい高さを調節。1センチ程の高さの小さなシートをまくらの下に、足したり抜いたりしながら、自然な姿勢になるように調整を加えていきます。

 仰向けで寝ている時の首の様子はもちろん、寝返りを打った際の姿勢も見て、微調整をしてくれるので、だんだんとどんな姿勢でも首と頭をしっかりと支えてくれるまくらになっていきます。心地よさに感動……。

2024.04.01(月)
文=茂木雅世(CREAアンバサダー)
撮影=今井知佑